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波乱と希望の予感が封じられているような気がする。 

さぁ、その手に掴むか否や?

その手に掴むものは何だ?


乱入失礼多謝 m(--;)m
byさと。
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 ロイは、静かにそこに佇んでいた。
もう既にそこにはないその姿を、ただただ脳裏に焼き付けたくて。

辺りには人気も、明かりもなく・・・・。
静かに振り注ぐ雨音だけが妙に耳についた。

ふっ、と・・・。

公園の街灯が暗い空に明かりを灯し始めた。

曇っていて日中との温度差があまりなかったとはいえ、やはり夕刻になり冷え込んだのか。
肌に触れる雨の温度が、下がったような気がした。


「冷たいな・・・・・」


闇に紛れて落ちる雫は色と存在を消してしまい、自分の身体に触れる瞬間だけ・・・・それを感じることが出来る。
ポツポツと落ちる冷たい雫は、静かに自分の体を伝い服を重たく濡らしてゆく。

ロイは暗く光のない空を振り仰いだ。


今日の雨を忘れない。


きっと、一生・・・・・・私は今日の雨を忘れないだろう。


ずっと見ていた。

濡れる君の姿。
肩を落とし、私を待つ君を。

ただただ、黙って見ていた。
声をかけることもせず、自分がこんな近くまで来ていることすら知らせずに。


静かに漆黒の瞳を閉じれば。
今でも雨に打たれていた彼の姿ははっきりと瞼の裏に浮ぶ。

振り仰いだ顔に雨がもろに当たるのを感じる。
頬に当たる雨は痛くはないが、心は痛かった・・・。



忘れない。

この冷たい雨を。



悲しみに濡れる君の姿。


ここで、この場所でずっと雨に濡れることも構わず君は私を待っていてくれた。

君は来てくれて、そして私を待っていてくれた。
それだけで十分だった。

その事実だけで、自分は一生歩いてゆける。
例え横に並んで歩くのが君でなくても、だ。






「なんだよ~・・・・そんなことするくらいなら、豆っこがいる間に声かけりゃよかっただろ?」

ロイは驚いたふうもなく、瞳を開くと・・・・・空へ向けていた顔を声の主へと向けた。

気配を殺していたのか驚くほど近くに黒い傘を差したヒューズが、困ったような顔をして立っていた。
ヒューズはゆっくりとロイに近づくと傘をさしかけた、が。
既に完全に雨で色の変わったロイの軍服に視線を止めて。
それが意味がない行為であることに気付いて、大きくため息を一つつくと。
自分も傘をたたんで、ロイと同じように雨に打たれた。

「うをっ、冷てぇ~・・・・・豆っこも冷えたろうなぁ?オートメールなんぞ抱えてるからなぁ」
そう言いながらヒューズはちらりと親友の顔を盗み見るが、暗がりであることも手伝ってかはっきりとした表情は掴めない。

ヒューズの言う通り、オートメールはよくも悪くも温度を吸収する。
この雨の冷たさを吸収したオートメールは、さぞかし彼の体を冷やしたことだろう。
そんなことは今更指摘されるまでもなくよくわかっている。

「何しに来た・・・・・ヒューズ」
声は坦々として感情が読みとれない。

「何ってそりゃ。バカな親友の目を覚まさせる為に・・・かな。これぐらいの雨じゃお前さんの重たい瞼は開かないだろぉ?」
わざとだろう・・・・・明るい口調で返してきたヒューズにもやはりロイの感情が動いた気配はない。
そしてロイはその問いには答えず、ただ静かに視線を逸らした。

「お前さんのこった。なんか事情があるんだろ」
そう言ったヒューズの表情も声音も、今までとはうって変わって急に真面目なものになった。
視線は逸らされたままだったが、顔など見ずとも空気を読むことに長けたロイにはきっとそれは伝わったことだろう。

「買いかぶるのは自由だが、私はそんなに凄い人間じゃないさ。お前が一番よく知っているだろう?私は上に行く為に手段を選んでる場合ではないんだ」

「一番大事なものを見間違えても・・・か?」

そう言いながらヒューズはぬかるみに残った、小さな足跡に視線を向けた。
街灯のすぐ下にあった為に暗がりでもはっきりとその形が見える。
片方だけしっかりとついたその足跡は恐らくオートメールの重みによるものだろう。

既に彼の姿がみえなくなって久しい。
だが、今ならまだ間に合うと・・・・追いかけるのに遅くはないとヒューズはそう言っているのだ。
この親友はよくも悪くも男の心中を透かして見る。

親友相手に嘘は無駄だと観念したのか。
ロイはふっと口元を綻ばせると、逸らしていた視線をヒューズに向けた。

「いいんだ、待ってくれていた・・・・・・それだけで十分だ」
それだけ言い残すと、すっと踵を返した。

「あっ、おいっ、待てよ」
ヒューズの制止も聞かず、ロイは後ろ手に軽く手をあげるとそのままその場から姿を消した。

「ロイ・・話はまだ・・」
ヒューズが後を追いかけようとして、一歩踏み出した瞬間。

「っ!・・っと・・・・なんだ?」
足元に違和感を感じて・・・・足をどけると。
そこには、一枚の封筒が落ちていた。

ぬかるみに落ちて汚れてしまっていたが、拾い上げたそれはえらく上質な封筒だ。
清楚な色調の封筒で、高尚なことに蝋で封が施されている。
一目で上流社会のそれと知れる。

パチンとヒューズはその封筒を忌々しげに指で弾いた。

封筒は雨に濡れたせいで、重たい音をたててくしゃりと歪んだ。

封など開かなくても中身はわかっている。
恐らく・・・・・・・明日、ロイの為に設定された見合いの案内状。
司令部中、その話でもちきりだ。






「あれ」
キーの高い少年の声が、人気のない公園に響いた。

ヒューズが振り返るとそこにはアルフォンスの姿があった。

「ああ、やっぱりヒューズ中佐だ。暗がりだから一瞬人違いかと・・・・・・」
そう言いながらアルフォンスはガシャリガシャリと重たい足音を響かせて近づいて来た。

「どうしたんですか、傘・・・・・持ってるのにささないで」
ヒューズの手元にあるたたまれた傘を見つけて、アルフォンスは首を傾げるようなそぶりを見せた。

「おおっ、アル・・・・・」
ヒューズはその顔をアルフォンスに向けると、まるで悪戯を思いついた子供のようににかっと笑う。
この年でそれが似合うからこの男は不思議だ。

「珍しいな、今日は一人か?」

「なんか・・・・・兄さん一人にして欲しいみたいで。あ、そう言われた訳じゃないんですけど」
少し・・・・・語尾が濁ったな、とヒューズは思った。

その鎧の姿故に表情などない。
だが声の微妙なトーンは彼の感情をとてもよく表していて。
兄を気遣う弟の優しさが、先ほどの一言に滲み出ているようだった。

恐らくロイと会うことが叶わず、エドワードは酷く落ち込んだ心を引きずったままに・・・・・この弟の元に帰ったに違いない。
目に浮かぶようで、考えただけで心が苦しくなった。

暫く黙り込んでいたヒューズだが。

「なぁ、頼みがあるんだ・・・・・・明日なんだがな、あるパーティへの潜入捜査に協力して欲しいんだ」
いつになく真顔で頼まれて、アルフォンスは少なからず困惑気味のようで。
頭の部分がガシャリと音を立てた。

「えっ・・・・と。あの、軍法会議所・・・・の、ですか?」

「まぁ、そんなとこだ。悪いんだけどな、この仕事・・・・出来たら豆ッこに頼みたいんだ」

ロイにはナイショな?そう言った男はやはり子供のように笑ったのだった。


********

すみません、春休みのせいで本当に遅くなってしまいました(ぺこり)←遅筆もだろうっ
樹さんの綺麗でシリアスな世界観を壊していないことを祈るばかりです~(涙)
色々と好き勝手な設定を文中にふっておりますが、どうぞお次の方の素敵な解釈をお待ちしております←って謎解きじやないから(汗)
「真実は一つ」じゃないし、「あり得ない」なんてことは何もありません(爆)ここがリレーの面白いところですね~。

つぐみ拝
 ただ一人、見上げる空は鈍色。
 心の中にまで染みてきそうな雨は、冷たく凍てつく針のよう。
 軋む半身の痛みは、天気の変化によるものというよりはまるで、どこまでもお前の罪を見逃さずにいるぞと天に宣言されているかのようだ。
「痛ぇな…」
 凍える己の体を抱き締めて小さく呟いても、それを拾い上げてくれる者など、きっとこの世のどこにも存在しないのだろう。

 ―鈍色の空と冷たい雨は、じわりじわりと、心までも侵食していく。


コールド・レイン


「兄さん、どこ行ってたの!こんなびしょびしょになって!!」
 宿に戻るなり、アルフォンスが仁王立ちしてエドワードを叱った。それもそのはず、エドワードはアルフォンスが買い物に行っている間に『ちょっと出てくる』というメモ書きだけ残してふらりと出て行ってしまっていたのだから。
「もーっ、風邪引いたらどうすんのさっ。ほらタオル!すぐに体拭いて、シャワー浴び…」
「悪ぃ、アル。一人にしてくれ」
小言を浴びせかけながらも、大きな鎧の体をわたわたと動かして、甲斐甲斐しく兄の世話を焼こうとするアルフォンスを、エドワードは抑揚のない声で冷たく遮った。年齢の割りに小柄で華奢な体は、濡れそぼっているせいで頼りなげに見えるし、俯いたままだけれども、表情も虚ろなのだろうと容易に想像が付く姿だ。
「…分かった」
 とはいえ、これはよくあることだったので、アルフォンスは別段怒ることも悲しむこともせず、静かに頷いた。ただ、大好きな兄の心の中に、拭い難い冷たい暗闇が巣食っていて、自分がその中に入って行って闇を払ってあげることが出来ないのが、ただ寂しくて悔しかった。
(兄さん…)
 服も脱がずに、そのままシャワールームに篭ってしまったエドワードを案じることしか出来ないのが苦しいのだ。
(ボクが何もしてあげられないんなら、せめて)
ホントは心優しくて脆い兄を、誰かが温かく包み込んでくれたら、兄は尽きることない苦しみからほんの少しでも、抜け出すことが出来そうなのに。
(ああ、)
―ダメだ。暗く冷たい雨は、圧し掛かる不安をさらに重いものへと変えてしまう。
 本当に、この世に神が存在するのなら、神に願った回数と想いに比例して願いが叶うのなら、何度だって願うのに…。泣くことも出来ないこの体では、行き場なくどこまでも心に涙が溜まっていく一方だ。

 このままでは、兄も自分も溺れてしまう。
光届かぬ闇の中で窒息してしまう前に、どうか。
(誰か、気付いて…)
―大好きな兄の苦しみに、不安に、孤独に、寄せては返す絶望の波に。
(お願いします…!!)
 何も出来ない己を情けなく思いながらも、アルフォンスは鈍色の向こうの青空を無理矢理思い浮かべて願わずにはいられなかった。



すみません、初っ端から暗いんですが…。でも、カステラメンバーの皆様ならきっと、この暗さを打開してくださると信じてます!(←書き逃げか)別ジャンルばっか書いていたせいか、久々の暗さに自分がついていけていません(滝汗)そんなグダグダの笹嶋でした!!
大変長らくお待たせを致しましたっ!

第2お題用のトプ絵が完成しました~!!!
(はぁはぁ…長い年月を、経てしまった…)

前みたく、ちっちゃい絵をクリックすると
別画面でおっきい絵がでる…とゆー事ができる
スキル(笑)を持っていなかったので、

でかい絵そのまんまの掲載に…


ムフフ…やっとカステラメンバー様へバトンタッチですvvv
SSトップバッターの笹嶋さ~ん!(←アナウンサーが現場に声をかけるように)

リクどおりにイメージを運ぶことは不可能でしたが(笑)
宜しくお願い致しま~す!!!

ひろむ




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ILLUSTRATION BY nyao