-------------●ここは鋼の錬金術師「ロイ×エドSSリレー企画」の二次創作サイトです♪●-------------※全ての画像・テキストの無断掲載持ち帰りはしないでください・初めての方は「about」をお読みください※since07/10/25
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エドワードは無言だった。身体はびくりと震えた。あの雨の日のことをもう一度、とロイから告げられて心が掴まれたように震えてしまう。
何を言うつもりなのか。あの雨の夜、言われるはずだった言葉をここではっきりと告げられるのかもしれない。ロイの腕の中で、エドワードはぎゅっと緋色のドレスを握りしめる。
あの夜、サヨナラを告げられることはわかっていた。言葉に出して言われてはいないけれど、だけどわかったいた。雨の中立ち尽くした自分。ロイが早く来てそして冷たい身体を温めてくれるのを本当は期待していた。だけど、ロイは来なかった。自分もそのまま立ち尽くしていた。冷たい雨は衣服を濡らし、そして重く肌に張り付いた。けれど、立ち止まったままではいられない。
雨の中立ち尽くしていたところで未来は開けない。
立って歩いてこの手に掴む。未来を自分の望みを。どうしたいのか、それは自分で決めること。
動け、自分の足で。掴め、自らの手で。
ぎゅっと握りしめていた手をほどいて、エドワードはロイを見た。
漆黒の瞳に浮かぶのは真剣な表情。何かを、決めたその強さがそこにあった。
「……下ろしてくれねえか、大佐」
腕の中に抱えられて、そしてそこでロイの言葉を待つなんて。それは違うとエドワードは思った。
未来をと望むなら、うずくまって助けを待つのではなく。
いつだって自らの手と足で掴みとれ。立って歩いて、前へ進む。何かを期待して待つことなどしない。弱い心などもういらない。
「アンタも、オレに話あるんだろうけど、オレだってある。あの雨の日をもう一度なんて冗談じゃねえ」
睨むような強さでロイを見つめ、そしてエドワードは自分の足で立った。
くいと、顔を上げる。俯きなどぜずにしっかりと。
「エド?」
もう待たない。自分の足で歩き出す。
「オレは、わかってたんだ。あの日、アンタに何を言われるかなんて。それが痛くて怖くてただ待った。でもアンタは来なかった。それを繰り返す気なんかねえって言ってる。だから、オレからアンタに言う。……オレ達、もう別れよう。オレはアンタの恋人でいることを、今、ここでもうやめる」
きっぱりと言い放つ。震えなど抑えつけて。
別れる。それがエドワードの結論だった。
別れようオレ達。
告げられた言葉がロイの心に突き刺さる。
こんな言葉を私はエドワードに告げようとしていたのだ。
後悔などしても遅かった。この事態は自分の弱さが招いたこと。ロイはエドワードから視線も外せずにただ、痛みとともにエドワードを見た。
冷たい雨にうたれながらただ自分を待っていたくれたエドワード。ドレスを着せられて人形のように眠らされていた。離れたほうがいいと思ったのだ。共に歩めばただ苦しめるだけだと思った。けれどそれは違ったのだ。
告げられて、わかる。
別れがどれほど痛みを伴うものか。魂をえぐり取られるに等しかった。
――そうやっていつまでも逃げているがいいわ、ロイ・マスタング。情けない男ね。この子を心の底から捨てることもできず、ただ、相手の幸せのために身を引いたなんて似非ロマンチシズムに浸るのがお似合いよ。『別れても愛しているのは君だけだ』なんて自分に酔ったセリフでも言うつもりだったんでしょ?笑わせないで。そんなのは捨てる方の勝手な言い分だわ。身勝手な理屈であなたの都合に振り廻されたほうがどれほど傷つくと思うの?それを受け止めることもできやしないクセに。
フィオレッナから突きつけられた容赦のない言葉が蘇る。彼女は手を伸ばした。手段はどうあれ欲しいものが欲しいと。そして彼女の目的に手が届かなくとも足掻いたのだ。フィオレッナは彼女の持てる力をすべて使った。甘い、と言われようが結果的に負けたとしても。そしてこの場は身を引いた。けれど彼女は奮起するだろう。欲しいものにいつか再び手を伸ばし、そして必ず手中に収める。その強さがあった。相手のために別れようなどというそんな弱さは彼女にはない。
これが、結果だ。自らの弱さが招いたことだ。
ロイはただ耐えるしかなかった。どんな結論をエドワードが選んだとしても、あのままコルネオ家のおもちゃなどにはさせやしない。そう決意して自身をオークションにかけるという暴挙に及んだ。けれど自分は道をまちがえたのだ。
共に、手に入れることを考えるべきだったのに。別れを、エドワードから告げられて、それがどんなに悲痛なものかようやくわかった。
「こんな情けない男は……君の方から見捨てられても仕方がないな……。だが、エドワード私は……」
許してくれるのならやり直したい。別れなど選択するのではなく共に在る未来を。そんな言葉を告げるのは実に調子の良いことだとわかっている。それでも、別れなど告げたくない。愛しているのだ。みっともないほどに、どうしようも無いほどに。
けれどエドワードは首を横に振る。
「もう止める。オレは立ち尽くすのも立ち止まるのも性に合わねえ。アンタとはいったん別れる。これはオレの決定。『だけど』も『だが』も要らねえよ。アンタから別れよなんて言われるようなオレはもう要らねえんだ」
「エドワード……私は」
「それからアンタの情けねえ顔も見たくない」
きっぱりと告げられた。迷いなど欠片も無い瞳で。
ロイは強く奥歯を噛みしめる。
別れる。
これがエドワードの出した結論なのだ。
これが、自分の心の弱さが招いた結末なのだ。
受け止めるしか、ないのだろうか。だが……。
「わかった…・・・だが、一つだけ覚えていてほしい。私は君が好きだ。愛している……。ずっと一生この想いは変わらない」
なんとみっともない言葉だろうかとロイは思った。
きっぱりと別れると告げてきたエドワード。あの雨の日にそう告げるつもりで呼び出して、けれど言えずにただ雨に打たれていた。その挙句にこんなセリフだ。愛しているというそんな言葉が今更エドワードの心に響くわけはない。けれど……。
悔恨が重かった。けれどただ、立ち尽くしてエドワードからの断罪を待つだけしかできなかった。そんな自分にロイは苦しさしか覚えることはできなかった。
奥歯を噛みしめて、それでも愛していると告げたきたロイを、エドワードはじっと見た。
これが、オレの結論だ。
オレ達は一度終わらせる。
俯くのも立ち止まるのも、もうしない。オレは前に進む。
エドワードは俯かなかった。真っ直ぐにロイを見上げ続けた。
「聞けよ大佐。オレはな、アンタが好きだ。すげえ好きでどうしようもなくなって。…・…アンタから別れ告げられるの怖かったよ。だからあの雨ん中ただ待った。でもそんなのオレじゃねえよな。アンタが好きになってくれたのはあんなオレじゃねえんだろ。だから情けないアンタも情けないオレももうここで終わりにしよう」
「わか……った……」
真っ直ぐに見続ける。強く強く、射抜くように。
「だけどオレはアンタが好きだ。今も、な。どうしようもねえくらい好きだよ。だから、オレは前に進む。ここで別れてそんで……。アンタがもう一回オレに惚れるくらいのすげえ男になる。そんでそれからアンタ口説き落としてみせっから。覚悟して待っていやがれ」
俯かない。
冷たい雨などはもういらない。
手を伸ばして掴んでみせる。太陽を、照りづづけられる強さを。
「エドワード……」
驚きに見開かれた漆黒の瞳。
足掻いてそして去ったフィオレッナ
エドワードは胸を張って、そしてロイへと笑って見せた。まるで太陽のような輝きがそこにはあった。
お久しぶりです続きです。ノリヲでした。 続きよろしくですよ~。
何を言うつもりなのか。あの雨の夜、言われるはずだった言葉をここではっきりと告げられるのかもしれない。ロイの腕の中で、エドワードはぎゅっと緋色のドレスを握りしめる。
あの夜、サヨナラを告げられることはわかっていた。言葉に出して言われてはいないけれど、だけどわかったいた。雨の中立ち尽くした自分。ロイが早く来てそして冷たい身体を温めてくれるのを本当は期待していた。だけど、ロイは来なかった。自分もそのまま立ち尽くしていた。冷たい雨は衣服を濡らし、そして重く肌に張り付いた。けれど、立ち止まったままではいられない。
雨の中立ち尽くしていたところで未来は開けない。
立って歩いてこの手に掴む。未来を自分の望みを。どうしたいのか、それは自分で決めること。
動け、自分の足で。掴め、自らの手で。
ぎゅっと握りしめていた手をほどいて、エドワードはロイを見た。
漆黒の瞳に浮かぶのは真剣な表情。何かを、決めたその強さがそこにあった。
「……下ろしてくれねえか、大佐」
腕の中に抱えられて、そしてそこでロイの言葉を待つなんて。それは違うとエドワードは思った。
未来をと望むなら、うずくまって助けを待つのではなく。
いつだって自らの手と足で掴みとれ。立って歩いて、前へ進む。何かを期待して待つことなどしない。弱い心などもういらない。
「アンタも、オレに話あるんだろうけど、オレだってある。あの雨の日をもう一度なんて冗談じゃねえ」
睨むような強さでロイを見つめ、そしてエドワードは自分の足で立った。
くいと、顔を上げる。俯きなどぜずにしっかりと。
「エド?」
もう待たない。自分の足で歩き出す。
「オレは、わかってたんだ。あの日、アンタに何を言われるかなんて。それが痛くて怖くてただ待った。でもアンタは来なかった。それを繰り返す気なんかねえって言ってる。だから、オレからアンタに言う。……オレ達、もう別れよう。オレはアンタの恋人でいることを、今、ここでもうやめる」
きっぱりと言い放つ。震えなど抑えつけて。
別れる。それがエドワードの結論だった。
別れようオレ達。
告げられた言葉がロイの心に突き刺さる。
こんな言葉を私はエドワードに告げようとしていたのだ。
後悔などしても遅かった。この事態は自分の弱さが招いたこと。ロイはエドワードから視線も外せずにただ、痛みとともにエドワードを見た。
冷たい雨にうたれながらただ自分を待っていたくれたエドワード。ドレスを着せられて人形のように眠らされていた。離れたほうがいいと思ったのだ。共に歩めばただ苦しめるだけだと思った。けれどそれは違ったのだ。
告げられて、わかる。
別れがどれほど痛みを伴うものか。魂をえぐり取られるに等しかった。
――そうやっていつまでも逃げているがいいわ、ロイ・マスタング。情けない男ね。この子を心の底から捨てることもできず、ただ、相手の幸せのために身を引いたなんて似非ロマンチシズムに浸るのがお似合いよ。『別れても愛しているのは君だけだ』なんて自分に酔ったセリフでも言うつもりだったんでしょ?笑わせないで。そんなのは捨てる方の勝手な言い分だわ。身勝手な理屈であなたの都合に振り廻されたほうがどれほど傷つくと思うの?それを受け止めることもできやしないクセに。
フィオレッナから突きつけられた容赦のない言葉が蘇る。彼女は手を伸ばした。手段はどうあれ欲しいものが欲しいと。そして彼女の目的に手が届かなくとも足掻いたのだ。フィオレッナは彼女の持てる力をすべて使った。甘い、と言われようが結果的に負けたとしても。そしてこの場は身を引いた。けれど彼女は奮起するだろう。欲しいものにいつか再び手を伸ばし、そして必ず手中に収める。その強さがあった。相手のために別れようなどというそんな弱さは彼女にはない。
これが、結果だ。自らの弱さが招いたことだ。
ロイはただ耐えるしかなかった。どんな結論をエドワードが選んだとしても、あのままコルネオ家のおもちゃなどにはさせやしない。そう決意して自身をオークションにかけるという暴挙に及んだ。けれど自分は道をまちがえたのだ。
共に、手に入れることを考えるべきだったのに。別れを、エドワードから告げられて、それがどんなに悲痛なものかようやくわかった。
「こんな情けない男は……君の方から見捨てられても仕方がないな……。だが、エドワード私は……」
許してくれるのならやり直したい。別れなど選択するのではなく共に在る未来を。そんな言葉を告げるのは実に調子の良いことだとわかっている。それでも、別れなど告げたくない。愛しているのだ。みっともないほどに、どうしようも無いほどに。
けれどエドワードは首を横に振る。
「もう止める。オレは立ち尽くすのも立ち止まるのも性に合わねえ。アンタとはいったん別れる。これはオレの決定。『だけど』も『だが』も要らねえよ。アンタから別れよなんて言われるようなオレはもう要らねえんだ」
「エドワード……私は」
「それからアンタの情けねえ顔も見たくない」
きっぱりと告げられた。迷いなど欠片も無い瞳で。
ロイは強く奥歯を噛みしめる。
別れる。
これがエドワードの出した結論なのだ。
これが、自分の心の弱さが招いた結末なのだ。
受け止めるしか、ないのだろうか。だが……。
「わかった…・・・だが、一つだけ覚えていてほしい。私は君が好きだ。愛している……。ずっと一生この想いは変わらない」
なんとみっともない言葉だろうかとロイは思った。
きっぱりと別れると告げてきたエドワード。あの雨の日にそう告げるつもりで呼び出して、けれど言えずにただ雨に打たれていた。その挙句にこんなセリフだ。愛しているというそんな言葉が今更エドワードの心に響くわけはない。けれど……。
悔恨が重かった。けれどただ、立ち尽くしてエドワードからの断罪を待つだけしかできなかった。そんな自分にロイは苦しさしか覚えることはできなかった。
奥歯を噛みしめて、それでも愛していると告げたきたロイを、エドワードはじっと見た。
これが、オレの結論だ。
オレ達は一度終わらせる。
俯くのも立ち止まるのも、もうしない。オレは前に進む。
エドワードは俯かなかった。真っ直ぐにロイを見上げ続けた。
「聞けよ大佐。オレはな、アンタが好きだ。すげえ好きでどうしようもなくなって。…・…アンタから別れ告げられるの怖かったよ。だからあの雨ん中ただ待った。でもそんなのオレじゃねえよな。アンタが好きになってくれたのはあんなオレじゃねえんだろ。だから情けないアンタも情けないオレももうここで終わりにしよう」
「わか……った……」
真っ直ぐに見続ける。強く強く、射抜くように。
「だけどオレはアンタが好きだ。今も、な。どうしようもねえくらい好きだよ。だから、オレは前に進む。ここで別れてそんで……。アンタがもう一回オレに惚れるくらいのすげえ男になる。そんでそれからアンタ口説き落としてみせっから。覚悟して待っていやがれ」
俯かない。
冷たい雨などはもういらない。
手を伸ばして掴んでみせる。太陽を、照りづづけられる強さを。
「エドワード……」
驚きに見開かれた漆黒の瞳。
足掻いてそして去ったフィオレッナ
エドワードは胸を張って、そしてロイへと笑って見せた。まるで太陽のような輝きがそこにはあった。
お久しぶりです続きです。ノリヲでした。 続きよろしくですよ~。
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