-------------●ここは鋼の錬金術師「ロイ×エドSSリレー企画」の二次創作サイトです♪●-------------※全ての画像・テキストの無断掲載持ち帰りはしないでください・初めての方は「about」をお読みください※since07/10/25
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それは、雪に変わりそうな冷たい雨の降る夜。しんしんと心の奥底まで凍えてしまいそうな、雨音だけが静かに聞こえる寒い夜。
「よ、大佐。…あ、今は少将だっけ」
「ああ。まあそろそろその上のポストが空くが。君も五体満足になったようだね」
「おう、全部取り戻したよ。たった一つを除いて、な」
傘も差さず、軍服姿の黒髪の男と、夜目にも鮮やかな金髪の少年が向かい合って話していた。
「ほう、何だね?」
男は柔らかに問いかけた。口元には、どこか確信めいた微かな笑み。
「いけすかねー奴で、すっげー女ったらしで、腹黒いし雨の日無能で…でもホントはすげー優しくて不器用で、だからちょっと優柔不断だったりもするおっさん」
「おっさんとは失敬な。」
「オレからすりゃ充分おっさんだっつの。今33だろうが、アンタ」
からからと少年は明るく笑う。髪にも負けない、眩しいほどの笑みだ。
「あ、そういや今アンタ無能モードじゃん、やばくねぇ?」
「昔の私と一緒にするな、雨の日だってもう大丈夫だ。いつだって大切な人を守れるようにしている」
ハッキリと言い切ると、男はすっと腕を広げた。目の前にいる、金色の少年に向かって。
「君がまだ私を欲しいと思っていてくれるなら…この胸はまだ誰のものでもない。たった一人のために空けているから…おいで」
柔らかく、でも確かな強さのある声が夜道に響いた。少年は…笑みを浮かべたまま、ぼろぼろと泣き出した。今までの強がり、不安、孤独、寂しさ全てが溶け出した涙は、冷たい雨に流れていく。
「バカやろ…相変わらずクセーんだって…」
泣いていることを悟られまいと吐き捨てながらも、少年は広げられた男の腕の中に飛び込んでいく。男はすぐさまそれを抱きしめた。強く強く、少年の背がしなるほどに。少年は―満ち足りたように微笑み、男の背に腕を伸ばした。
「また、始めよう。ここから。今までの寂しさはこの雨に流して」
「うん…」
冷たい雨はやむことなく降り続ける。気温はますます下がり、このままいくと霙になりそうだ。それでももう、寒くはない。欲しかったものが側に在るから。確かな優しいぬくもりに包まれているから。離れていた今までの時間は、困難に立ち向かい、壁を超えるためのしなやかな強さとすべてを受け入れられる広い心―それを手に入れるための時間だったのだから。
しとしと降る冷たい雨は、新たなはじまりのための恵みの雨。一度切れた絆を再び結び付け、さらに強くする、天からの贈り物なのだった。
そう、それは2人の心がより強くなるように、より暖めあえるようにと降る、優しい優しいコールド・レイン―。
End.
「よ、大佐。…あ、今は少将だっけ」
「ああ。まあそろそろその上のポストが空くが。君も五体満足になったようだね」
「おう、全部取り戻したよ。たった一つを除いて、な」
傘も差さず、軍服姿の黒髪の男と、夜目にも鮮やかな金髪の少年が向かい合って話していた。
「ほう、何だね?」
男は柔らかに問いかけた。口元には、どこか確信めいた微かな笑み。
「いけすかねー奴で、すっげー女ったらしで、腹黒いし雨の日無能で…でもホントはすげー優しくて不器用で、だからちょっと優柔不断だったりもするおっさん」
「おっさんとは失敬な。」
「オレからすりゃ充分おっさんだっつの。今33だろうが、アンタ」
からからと少年は明るく笑う。髪にも負けない、眩しいほどの笑みだ。
「あ、そういや今アンタ無能モードじゃん、やばくねぇ?」
「昔の私と一緒にするな、雨の日だってもう大丈夫だ。いつだって大切な人を守れるようにしている」
ハッキリと言い切ると、男はすっと腕を広げた。目の前にいる、金色の少年に向かって。
「君がまだ私を欲しいと思っていてくれるなら…この胸はまだ誰のものでもない。たった一人のために空けているから…おいで」
柔らかく、でも確かな強さのある声が夜道に響いた。少年は…笑みを浮かべたまま、ぼろぼろと泣き出した。今までの強がり、不安、孤独、寂しさ全てが溶け出した涙は、冷たい雨に流れていく。
「バカやろ…相変わらずクセーんだって…」
泣いていることを悟られまいと吐き捨てながらも、少年は広げられた男の腕の中に飛び込んでいく。男はすぐさまそれを抱きしめた。強く強く、少年の背がしなるほどに。少年は―満ち足りたように微笑み、男の背に腕を伸ばした。
「また、始めよう。ここから。今までの寂しさはこの雨に流して」
「うん…」
冷たい雨はやむことなく降り続ける。気温はますます下がり、このままいくと霙になりそうだ。それでももう、寒くはない。欲しかったものが側に在るから。確かな優しいぬくもりに包まれているから。離れていた今までの時間は、困難に立ち向かい、壁を超えるためのしなやかな強さとすべてを受け入れられる広い心―それを手に入れるための時間だったのだから。
しとしと降る冷たい雨は、新たなはじまりのための恵みの雨。一度切れた絆を再び結び付け、さらに強くする、天からの贈り物なのだった。
そう、それは2人の心がより強くなるように、より暖めあえるようにと降る、優しい優しいコールド・レイン―。
End.
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お疲れ様でした
樹さん、お疲れ様でした。
<たった一人のために空けているから、おいで>
おぉ須田も飛び込んでいきたいYO!最後もお題名で締めくくられていて、幸せな余韻たっぷりで二人を祝福したくなります(^^)
今まで有難うございました。
<たった一人のために空けているから、おいで>
おぉ須田も飛び込んでいきたいYO!最後もお題名で締めくくられていて、幸せな余韻たっぷりで二人を祝福したくなります(^^)
今まで有難うございました。