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『一つだけ、願いを叶えてあげよう』
深々と雪が降り注ぐ空から声がきこえた。
【彼】は大地同様真っ白な空を見上げる。けれど、もう声は聞こえない。
聞こえないけれど。
確かに、私は聞いた―――間違いなく。
なら、願いは叶えてもらうぞ。
その願いが敵う少し前。【彼】は死にそうだった。
あぁ、白い寝床が私を呼んでいる…。
冬眠前の食事が足りなかったのか、冬真っ只中のこの季節に目が覚めてしまった。
ぐぅ~というお腹の音と共に。
一旦空腹を感じると、もうどうしようもない。
仕方がなく、雪景色の中ない餌を捜し求めるという事に。。
でも、初めて見る真っ白な世界はとても、
『きれいだ…』
いつもとはまるで違う光景を、【彼】は、いつまでもいつまでも見つめていた。
そう、感動の余りずっとずっとず~と眺めていたのだ。
そうして、すっかり雪に埋もれ身動きが取れなくなっていた。
『わ、私としたことが…一生の不覚…っ』
なんて自覚しても時、既に遅く【彼】は凍死寸前。
『あぁ、春なったらデートをしてあの子とこの子とその子と…etc子孫を残して人生を謳歌しようと思っていたのに…』
楽しい人生設計も計画倒れ。
しかも、なんだか先ほどから温かくなってきたような。そんな感覚が【彼】を襲うのだ。
これは、昔長老に聞いた雪山での危ない状況といいやつか?
確か一眠りしたらあの世だったとか、なんとか。
【彼】は、すっかり夢の世界への片道きっぷを持ってしまっていた。もう数秒で魂は空の上。
というところで、ふわりと体が浮いた。
「おいっしっかりしろよ!なんでこんな所にいるんだよっ冬眠中だろっ!?」
しっかりしろおぉぉぉ!!とゆっさゆっさと脳がシェイクされるかと思うほど揺さぶられた。
『これはこれで……違う意味で魂が抜けそうだ』
クラクラと眩暈を起こしながら、【彼】は何とか視線を定める。
途端、視界に広がる金色の輝き。
『きれい…だ』
本日2度目の感動。しかも大が一杯たくさん付くほどの。
一目会ったその時から恋の花咲く事もある見知らぬあなたと見知らぬ私で雪山でデートvv…なんてどこかのフレーズが揺れまくった脳内で響いている。
でもそれはあくまで、【彼】の脳内だけ。
金色の輝き、エドワードといえば、ぱちくりと目を開けた小動物に一安心で。
「おっもう大丈夫だな。それにしてもこんな雪山で死にかけてるなんて、寝惚けていたのか?変なイタチ」
―――変なイタチ。
大きな勘違いをしていた。いわゆる天然ボケ。
『君っ失敬な!私はカワウソだっ!』
そんな天然ちゃんに【彼】は大反論するも、
「おっ、元気いいじゃん!」
ただの鳴き声にしか聞こえていないので、空回りだ。
「お前、目が真っ黒であいつみたいだな。あいつも良く仕事中に寝惚けて中尉に銃弾打ち込まれるんだよな」
『……あいつ?』
「いいか、ちゃんと巣穴に戻って春まで寝るんだぞ」
エドワードはイタチ(だと思っている)を雪原に降ろすと「じゃあな」と手を振って歩き出す。
実は、エドワードもこの雪山にけっこう切羽詰っていたりしているのだ。
『ま、待ちたまえっ!』
ザクザク歩くエドワードを【彼】は必死に追いかけるが。
「だめだろ!めっ!」と叱られる始末。
その時、ふっと【彼】はエドワードの心を垣間見てしまった。
なぜ自分にそんなものが見えたのかは分からない。
動物の勘なのか? 分からないけど、でも見てしまったのだ。
漆黒の髪、黒曜石の瞳をした男の顔を。
そして、エドワードが心の底で大切に閉まっている想いも。
雪原で、ポツリと一匹佇んでしまう。
『私だって、黒い瞳ではないか……』
もしかしなくても、これが【恋心】というものなのか?
でも自分はカワウソであの子は人間で。
でも。でもでもでもっっ!!
そんな時、あの声が聞こえたのだ。
だから、【彼】は叫んだ。
『私を人間に!あのロイ・マスタングとかいう男とそっくりの人間にしてくれっ!!』
トントン、とドアを叩く音。
「え~と…どなた?」
「私だ」
えっっ!?
聞き間違えようのない、甘いテノールの声が外からする。
「うっ嘘だろっ!!な、なんで大佐がここに!?」
「嘘なものか、早くここを開けてくれ」
ガチャリ。ドアを開けると。
「これを君に…」
差し出された籠、足元の食料、背後の怪しげな大籠その他色々。
でも、そんな事はこの際どうでもいい。
問題はそこではなくて。
「………………………………あんた、何……してるんだ…?」
イタチ(本当はカワウソ)の着ぐるみを着たロイ・マスタングがそこにいたのだった。
強烈ギャグな展開でなくて、すすすすすすみません!つぐみ様の第1話を読んで、どおぉ~してもカワウソロイが人間になるところを書きたくなってしまって(汗)
でもカワウソロイ(人型)をエドたんは見るところまで書かないと!と思って書いたらこんな感じになってしまいました。
次の方っ!宜しくお願いしますっっ!
まいこ
「イタチ」もしっかりフォローして頂いて有難うございますっ♪次の方の続きも楽しみですね。
こーいう「いや、ちょっとそれは有り得んだろ!」的ムチャな設定には本領大発揮ですね!
私、自分で気ぐるみやら何やらネタふっといて、「おおナルホド、そーだったのか!」とめっちゃ納得してしまいましたよー!
夜中に読んでしまって、ご近所迷惑にならないよう、声を殺して笑ったので、腹筋が崩壊しそうです。
気ぐるみ…実に中途半端な願いの叶え方っ!(爆笑)
しかも、一応ラブラブ伏線がはってある~っ!
ああ、空から聞こえた声が気になる!
個人的には、樹さんの「僧」の話が気になって気になって…
例のつづらの中身とか、いったいどうなっているんでしょうか…気になります~。
いよいよ「イタチ(違うって)とご対面~♪」してからの二人(一人と一匹?)の会話とストーリーが始まるのですねっvvv
僧のカワウソ、可愛い顔で騙す・・・ああ、何か頭の中で妄想がもやもやと・・・!!(いや、最近和洋問わず、僧的な設定に萌えます。)地域関係ないですよ!その話題に萌えられればっ!(力説。)
つづらの中身は・・・ひ・み・つ☆ですぅ~
(え、中身実は知ってるの???)
さとさんさとさん…!どっちかっていうと「何でも妄想さっさとロイエド!深読み妄想作家ノリヲ」です(←ウソ)
とりあえず第三話下書き済みました。あとはこれから仕立てあげます。
あの…大きいつづらの中身、勝手に決めていい?ハボックじゃないのにするけどいいですか?
あの、例のものの中身・・・・ハボじゃないんですね!?おおっ、それは楽しみです~。お待ちしております。
そして、樹さん。
すみません、私が次の方は「ギャグ全開で」などと言ってふってしまった為に・・・。申し訳ないです。皆様おっしゃって下さるように、必ず決まった順番などはありませんので無理されずに、・・・・「書きたい」と思われたところで書かれてくださいね。ギャグも苦手なご様子ですので、絡みずらかったら前もってご自分の前を書く方に、「少しラストをシリアス調に」とコールして頂くのもありかと思います。折角のリレーですのでどうぞ無理はされないでくださいね。