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-------------●ここは鋼の錬金術師「ロイ×エドSSリレー企画」の二次創作サイトです♪●-------------※全ての画像・テキストの無断掲載持ち帰りはしないでください・初めての方は「about」をお読みください※since07/10/25
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降りしきる雪は、音を吸収する。
降り積もるばかりの一面の銀世界の中は、音までも凍らせたように静かだった。

確かにそこは凍てついた世界だったけれど、そんな中カワウソロイは幸せなぬくもりを感じていた。
自分の毛皮に身を包んでいるのは紛れもなく、自分が恋焦がれた綺麗なあの子だ。
抱きしめられた彼からその身に着けた毛皮越しに・・・彼の暖かな体温を感じる。
ああ、これ以上の幸せがあるだろうか。

きっと思いは通じた筈。
彼の抱擁がその証拠だ。
カワウソロイは複雑な表情を自分達に向けている男のことなど、気にもならないほどその幸せの余韻に浸っていた。
だがらいつもなら働く野性の勘が鈍ってしまっていたのかもしれない。

ズキューン!!!

それは雪山に反響して、カワウソロイの顔の横を何かがかすめた。

「エドワードくん・・・・・その変態から離れて!」
その場に凛とした声が響き渡った。

カワウソロイも、エドワードも、そしてロイも声を振り返れば。
そこには銃を構えたホークアイ中尉とハボック少尉の姿があった。

「ええ、もう変態だ、変態だ、変態だっ、変態だっっと常々思っておりました。ですが、ここまで変態とはっ!!!!」
珍しく激しい口調で、ホークアイは言い捨てた。
その剣幕に隣のハボックの顔色は青くなるばかりで、事の次第を見守っている。
どうやら彼女には全裸のカワウソロイが、毛皮を着たエドワードに抱きついている・・・・ように見えているらしい。

「ちっ、中尉・・・・あの、これは、その」
説明しようにも、エドワードは今までのこの状態をどう伝えていいのかわからず、言葉が続かない。

「くまに攫われていかれたあげくっ、身包み剥がれたなどという言い訳は聞きませんっ。今日という今日は、覚悟して頂き・・」
「くまではないっっ、カワウソだっ!」
ホークアイの言葉を遮るように、カワウソロイは毅然と全裸でそう告げた。

そしてホークアイはそこまできて、やっともう一人の男の存在に気づいた。
何時もの青い制服に身を包んだ男は、二人とは少し離れたところに確かにいた。

「大佐・・・・そちらでしたか。気づきませんでした」と平然と言われれば。
「待ちたまえっ!君ね、普通気づくだろう?」
「いえ、普段の行いの悪さがこういう時に誤解を生むのです。自覚なさってください」
「いや、それにしてもだね。君、さっきの変態の言われようは酷くないかね?一体何回変態を連呼したと?」
「五回です・・・それに何か問題でも?」
いい足りないくらいだと言わんばかりのホークアイの口調に、思わずロイは押し黙った。
それだけ言い渡すと、ホークアイはエドワードとカワウソロイに視線を戻した。

「どういうことなの?エドワードくん」
全裸の男の顔は、どこから見てもロイ・マスタングそのものだ。

否、ヒゲ。
人間にある筈のないそれを見つけて、さすがのホークアイもひくりと口元を引き攣らせた。

「とにかく、少し下ったところにテントを建ててます。まずはそこに移動して頂いて、お話を伺います」
そう言いながら山を降りることを促した。


寒さに限界を感じていた三人?は、素直にホークアイの指示に従い山道を降りる事を承諾した。
下山の雪道を、無言で歩くホークアイに、思わず小声でハボックは声をかける。
視線は前をゆく三人?に向けたままだ。

「中尉・・・・本当にあれって何なんですかね?本人はカワウソだって言ってましたけど」
「どうかしら・・・・・」
「でもあれだけ大佐に似てると怖いですね」

「そうね・・・・・・、あれだけ似てるとうっかり間違えて入れ替わってしまってもわからないわね?」
「え゛、や、それは・・・・」ないだろう、と思いつつもこの女性などに意義を唱える勇気がある筈もない。

「それともハボック中尉、くまに捕獲される無能な国軍大佐が軍にいるとでも?」

だからカワウソですよ、とそんな事を突っ込めるはずもなく。
この人なら本気でやりかねないと思えば、ハボックはごくり息を飲み込んだ。

眼前には山の中腹に張っているテントが見えてきたが、どうにも波乱を感じてしまうのは何故だろう。


  **********************************

と、いう訳で取り合えずテントに移動です~。
またしても妙な引き具合で申し訳ありませんが、お次の方よろしくお願いします。
いよいよ、ラストに向けていこうと思ってますが、どうぞ皆様・・・・「ちょっと待った」や「設定の回収もれ」などどんどん突っ込んでくださいませ~♪

すみません、名乗り忘れてました。
つぐみです。
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そこは幻想的な白銀の世界が広がっていて。

空からは白い妖精が舞い降り、二人は白い恋人たちとなる。


バカンスで来ていたら、ね……な話。

でも現実は厳しくエドワードの置かれている状況は今、極が10個は付くほど最悪だった。
三日三晩、ろくな食べ物もなく空腹は限界を超え、すでに麻痺している。
それでも寒さを防ぎ暖をとり凍死しなかったのは、ひとえにどこかのお金持ちな別荘があったから。

その命綱とも云うべき、お金持ちな別荘が。

―――今しがた吹っ飛び燃え尽き跡形もない。

あぁ、名残の灰が雪に混じって飛んでいく……。

どんなに情けない姿を見てしまっても冷めることがなかった、エドワードの恋心。
大人でかっこよくて甘いテノールの声が素敵な時々無能の国軍大佐ロイ・マスタングに、実は心ひそかに恋焦がれていた。
でも素直になれなくて、ついつい素っ気無い態度をとってしまっていたのだ。

本当に大好きで大好きで大好きで、今もその気持ちには何故か変化はないけれど。

ないけれど。

ないけど今。

猛烈に自分が悲しい。


大佐が、憧れのロイ・マスタングが。

まさか。
………………こんなにバカだったなんて。


冬の寒さとロイのバカさ加減が身にしみる。ここまでくれば怒りを通り越して虚しい。
心が体と同じようにとっても寒いのだ。しかも機械鎧は氷のようで。

寒くて悲しくて虚しくての3拍子が揃ってしまっているというのに、ちらほらと降っていた雪が吹雪いてきて追い討ちをかけてくれたりする。
エドワードは怒鳴ることもロイを睨む事もできず、目の前に散る白と灰色の雪を見つめていた。

ぽろり…。

あまりの情景と状況の虚しさに、悲しみが込み上げ泣けてきた。
一粒流れると、あとはもうぽろぽろと涙が止まらない。

「うっ、ううっふえ…っ」

左手でごしごしと金色の瞳をこすりながら、エドワードはとうとう声を出して泣き出してしまった。
これに慌てたのはロイとカワウソロイの一人と一匹だ。

「エ、エドワード…その、泣かないで…くれたまえ」

原因が自分にあるとはっきりしている為、ロイはシドロモドロオロオロしながらのうえ、そっとエドワードに触れようとしたが。

「さわんなっ!大佐なんか大っ嫌いだっっ!!ばかーっっ!」
「お、落ち着きなさいっエドワード…っ」

癇癪を起こしながら泣きじゃくるエドワードに触れるどころか、近寄る事すらできない。
もうすっかりお手上げ。
そんな時。

「う、うっ…くしゅんっ」
「「エドワードッ!?」」

エドワードのくしゃみに一人と一匹は驚いた。

まさか風邪を引いたのか!?

冬の寒空の下にいるのだ、風邪を引かない方がおかしい。
ちなみにロイはすでに風邪引きさんだ。でも今、はっきりいってロイはどうでも良い。
問題はエドワードがくしゃみをしたと云うことなのだ。

しかも「へっくしょん!ふぇっくしょんっ!」」と連呼している。

このままではいけないっ!風邪を拗らせてしまったら大変ではないか!
と、一人と一匹は思った。

でもその一人、ロイは成す術がない。
抱きしめて暖めようとも、すでに自分は風邪引きさん。風邪の移し合いにしかならくて不毛だ。

そして、もう一匹、カワウソロイには術があった。

「これを着たまえ」
「えっ…?」

極寒に只中にいるはずだったのに、ふわりとした温もりがエドワードを包む。

「こ、これって…」

特一級品質の毛皮(着ぐるみ)に頭からすっぽりと包まれ、エドワードの体中はほこほこ。
でも、という事は?

「っ…ぶふぇっくしよいっ!」

カワウソロイは盛大なくしゃみと共に、ズルルーと大量の鼻水を垂らしていた。

「お、おい、お前大丈夫か!」
「ぎみばじんぱいじなぐていい…だびじょうぶだ…っくしよいっ!」

ちっとも大丈夫じゃない。
そもそも妖怪変化といえど野生動物。本来この時期、彼らは寒さを避けるため冬眠中なのだ。
しかも、体温を保つ為の必需品「天然毛皮」がない。

なのに。
カワウソロイは今、すっぽんぽん。
ブルブルッと擬音が聞こえそうな程震えが酷い。

このままでは、あと数分で間違いなく凍死確実だ。

カワウソロイの意識がぼ~と遠のく。

これが、もしかしなくても長老が言っていた雪山遭難というやつなのか?
あぁ、我が人生に悔いはなし。金色のこの子が無事ならそれで良い。
でも、一度で良いから触れたかったな……。
そういえば贈り物も受け取って貰えなかったし。

悔いがないと言いながら、結構未練が残っていたりする。
そんな事を思っているうちに、いよいよ体がぐらりと傾く。

が。

今度はカワウソロイが、ふわりとした温もりに包まれた。その感触は紛れもなく自慢の特一級品質な天然毛皮で。

「こ、これは……?」
「ほら、こうすればお互い温いだろ?」

閉じかけた目を開けてみると、そこには笑顔で自分を見上げる金色の瞳があった。

な、なんて眩い笑顔なのだ!ここれはもしかしなくても抱擁ではないか!?しかも金色のあの子からっっ!
おぉっしかも私が送ったプレゼントを身に着けてくれている!
私の求愛を承諾してくれたのだーっっ!!

ぎゅーと抱きつき返す。

カワウソロイ、天にも昇る気持ちで今絶好調に幸せを感じていた。

一方、国軍大佐ロイ・マスタングは。

呆然と目の前の愛おしい子供と、自分モドキ(しかも全裸状態)の熱い?抱擁を眺めていたのだった。




え~と、時間が掛かった割りに短い(汗)しかも、こんな展開に!? どなたか続き頑張ってくださいませ~。
まいこ

 

「焔くらい私にだって出せるとも!」そう宣言していざっ、と出したカワウソロイの鬼火。ゆらゆらと揺れ、ぼんやりと浮遊するその薄青色の火の玉をエドワードとロイは無言で見つめ続けていた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
あれ?はずしてしまったのだろうか?カワウソロイの小さな心臓がドキドキドキと速さを増した。
「・・・・・・・・」
三人が三様のまま、無言状態をキープできたいたのはほんのわずか間だけだった。
ひくひくと小刻みに動くエドワードの頬。そしていかにも頭痛がするとでも言いたげにこめかみを押さえたロイ・マスタング。
ついに耐えきれず地の底をはうような低い声を出してきたロイ・マスタング。
「・・・・・・ちょっと、何だねコレは。」
だが、ここで引き下がっては男が、いやカワウソがすたるというものだ。カワウソロイは堂々と胸を張った。
「何って、見ての通り、『焔』だ!」
「・・・馬鹿にするのも大概にしたまえ、それは『焔』というより『火の玉』で・・・」
だが、ロイの抗議を遮ったのはエドワード。
「うおおーっ!! すっっげぇーじゃんっ!!」
「「・・・・は?」」
ロイも、カワウソロイも思わずエドワードを凝視ずる。その瞳はキラキラと輝きを増し、なんと美しい…と思ったのはカワウソロイだけだ。本物のロイ・マスタングはそのエドワードの瞳の奥にある怒りの心を見逃したりはしなかった。
(わざと、だな。鋼のは。わかっていながらワザと、あえてこのようなことを……)
ロイは拳を握るがそれを繰り出すことは出来やしなかった。理由はわからないのだが、エドワードが本気で怒っていることがひしひしと伝わってくるからだ。
「やぁーっぱ、ホンモノは違ぇーよなぁー!」
その棒読みのエドワードのセリフにロイは思う。鋼のが怒っている理由。それを解明しなければ彼はこのようなわざとらしい会話を続けるつもりなのかもしれないと。
が、そんな二人の思惑に気がつかない単純野生生物は、ホンモノは違ぇーよなぁー!などというエドワードの発言に単純に喜びを見せた。
「わかってくれたか!」
単純馬鹿だ、このカワウソは、と。ロイはさらに頭を抱えた。部下であれば「馬鹿もの!言葉を額面どおりに受け取るとは何事か!」と叱咤してやりたいところであるが、この妖怪もどきのカワウソは部下でない上に、顔だけはロイ自身と同じなのだ。ますますもってやりきれない。
「ちょっと待て!どこにこんな東の国の怪談めいた火の玉を出す『ホンモノの焔の錬金術師』がいる!」
そう、頭では冷静に、と思いつつも感情はその限りではない。ロイは思慮も何もなくただ怒鳴る。 本当にその顔も発言もその火の玉も、ロイを馬鹿にしているようにしか思えない。私の焔の錬金術。師匠から引き継いだ最強の錬金術が……!!ロイの怒りも心頭極まりそうであったがここで怒りにまかせた発言でもしてみれば収拾のつかないことになりそうだと、その一念だけで理性を保った。なんとか頑張れ私!こんなカワウソに負けてたまるか!その矜持というかプライドというかのみに今のロイは支えられていた。
が…。
「ここにいるじゃんよ、ホレ、焔。」
エドワードはロイが逆上しかかっているのを判ってあえて逆なでするように面白がっている声を出し、尚且つふわふわ漂う火の玉を指さしてみた。そう、ロイが怒ろうと逆上しようと構わない。むしろ、ロイ・マスタング大佐を殴ってやりたいのはエドワードの方なのだから。
(けっ、ザマーミロ。悩みやがれ!!)
殴る程度にはおちょくるくらいしてやろう。雪に閉ざされ三日間。ろくに食べモノも取ってないエドワードは空腹で。その短気さは普段の倍。つまり、短絡的切れやすい豆、はそれだけでも弾けんばかりだったのに…。
大佐が救助に来てくれた。それ自体エドワードの怒りを増す要因の一つではあったのだ。国軍大佐ともあろうものが雪山遭難しかかった手駒なんかの捜索に自ら足を運ばなくても部下に手配させるくらいでいいじゃねえか。どうせアルフォンスが泣きついたのであろうとも。大佐にはもっとやるべきことがある。何日も司令部から離れてこんな山奥まで来るなんて、司令官としての自覚がねえだろうこの野郎。
その思考は実のところ建前でしかない。好いた相手に救助されるなんて男としてのエドワードの沽券にかかわるから怒っているというのもちびっとだけエドワードの心にはあった。だが、実際のところは何かと言うと……
この屋敷のドアを開ける前、トントン、とドアを叩く音を聞き、どなたと聞いた自分に「私だ」との甘いテノールの声を耳にした時に。心臓はドキドキと高鳴ったのだ。「うっ嘘だろっ!!な、なんで大佐がここに!?」そう言ったのはエドワード自身。ドキドキしつつ、助けられるなんて大佐と同等の存在になれない足手まといだと思いつつ。それでもエドワードの心は少女のように高鳴ったのだ。恋する相手が危険を顧みず、吹雪の山奥まで助けに来てくれる…。
アルフォンスの好む恋愛小説のパターンではないだろうか?シチュエーションはバッチグーだ。
雪に閉ざされて二人きり。外はホワイトカラー。助けはしばらく来ないだろう。食料は付きかけていても、暖炉の薪もなくなりかけていても、毛布一枚に二人で包まって、「寒いな…」なんて言いながらそっと大佐に抱きついて……なんて思っていたというってのに!!ああ、似会いもしない乙女チック思考に一瞬でも駆られたオレが馬鹿でした!!あーもう、本当に殴ってやりたいぜ、ロイ・マスタング!そしてオレ!!
考えてもみて欲しい。惚れて、その想いを隠して…それでも前途のような乙女思考に駆られてしまったというのに。
期待を込めて開けたドアの先に居たのは。

……カワウソのコスプレをしたロイ・マスタング、だ。

惚れた欲目でも、いや、惚れていたからこそその分余計に腹立って仕方がない。いや、怒りの理由はそれだけではない。今のエドワードにはもうそのカワウソコスプレがロイの偽物だと判っている。そう、コスプレが本物の方がまだ怒りは少なかったのかもしれない。
本物の大佐はニセモノによって……大きなつづらの中に情けなくも閉じ込められていたのだから。

百年の恋も冷める。

そんな使い古されたフレーズも思いついたというのに……。

実際には百年の恋など冷めなかったのだ。つづらの中に押し込められたロイ・マスタング国軍大佐の情けない姿!!!それを目の当たりにしても、ロイへの冷めない恋心にエドワードは烈火のごとく立腹していたのであった。

本物ならオレが怒っている理由なんかわかるよな。そう言ったのは単なるいやがらせ。いや報復だった。こんな情けない姿の大佐!!そしてそれを見てもこんな情けない男に惚れ続けているオレっ!
むしろ怒りは後者の方が大きかったのかもしれない

けれど、エドワードの憤慨など気にもしていないカワウソロイ。彼は単純に自分がホンモノと認められればこのキレイな金色の可愛い子とラブラブになれるというその考えしか持ってはいなかった。だからこそ、得意げに、胸を張る。
「そうだ!立派な焔だ!」っと。
だが、そんな可哀そうなカワウソをロイは無視、してエドワードのみに告げてやる。
ロイはエドワードの肩をがっしりと掴み、訴える。
「違・う・だ・ろ・う!!地獄の業火にも劣らない私の紅の焔練成はこんなものではないだろう!?」
もはや体面などどうでもよい。カワウソなどもどうでもいい。ロイは必死になってエドワードを見つめる。
だがしかし。
怒っているエドワードは必死に肩を掴まれようが、視線など気にせずどっから見ても青い火の玉を指で追う。追い続ける。
「え?こんなもんじゃね?」
わざとらしく視線をもその青のふわふわ漂う火の玉に向けるエドワード。
「そうだ!こんなもんだ!」
何もわからずとも便乗しているだけのカワウソロイ。そして……。
「だぁーーーーっっ!一から十まで間違っとるぞキミらは!だいたいな・・・」
「うっせ!焔も出せねー無能は黙っとけ!」
さすがにとどめの一撃に、がーーーーーーーーんっっ!!!と真っ白になるロイ・マスタング。
「なー♪ やっぱ、ホンモノは焔出せてナンボのもんだし?」
「ああ♪そのとおりだとも!」
意気投合したようなエドワードとカワウソにロイの血管はブチ切れた。

「ぶ、侮辱だ・・・大地を焼き尽くすと恐れられた私の練成が・・・こんなもんと・・・」

こんなカワウソのかぶり物をしている妖怪モドキと将来の大総統有力候補のこの国軍大佐の私が……。

切れたロイほど恐ろしいものはないかもしれない。

焔の錬金術師、ロイ・マスタング。

そう発火布などなくとも、その錬金術師としては超一流で。

ロイは床に素早く錬成陣を書く。循環する円とサラマンダーから成るその錬成陣は発火布と酷似しているもので。書きあげたその陣と、それから暖炉から取り出した燃えさかる薪。その二つを持ってロイの錬成したものは……!!

大地を揺るがす地獄の炎。恐ろしいほどの火力。それは一瞬にて燃えさかる。

「うわあああああああああああああ」
野生の生き物にとっては焔など恐ろしいものでしかない。恐怖にかられ叫ぶカワウソロイ。 そして、エドワードの見たものは!!

空まで届くような勢いで一瞬で燃え上がったロイの焔。目の前がその一瞬だけ真っ赤に染まり……。そうして、次に見えたのはどこまでも続く白。灰色の空から降り続く白い雪。

ひゅううううううううっと寒風が吹すさむ。

そう、ロイの、焔の錬金術師の錬成した焔は今までエドワードが三日間過ごしたこの屋敷を、あとかたもなく焼き尽くしてしまったのであった……。

*********************************

失礼しました。第7話担当ノリヲでした。 さと様、イメージ壊してたらごめんなさい。 エドワードの怒りの理由もこの程度でいいのだろうか…と思いつつ書いてしましました…。 続き…どなたか…バトン受けとって……(受け取りしにくいところでごめんなさい…)
 ↓クリック全画面表示☆
  
ラッキーセブン☆ &、謎解決、お疲れ様でした・ありがとうございました~♪
「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・ちょっと、何だねコレは。」(頭痛。)

「何って、見ての通り、『焔』だ!」(堂々。)

「・・・馬鹿にするのも大概にしたまえ、それは『焔』というより『火の玉』で・・・」

「うおおーっ!! すっっげぇーじゃんっ!!」


「・・・・は?」

「やぁーっぱ、ホンモノは違ぇーよなぁー!」

「わかってくれたか!」

ちょっと待て!どこにこんな東の国の怪談めいた火の玉を出す『ホンモノの焔の錬金術師』がいる!」

「ここにいるじゃんよ、ホレ、焔。
(火の玉ふわふわ~)

そうだ!立派な焔だ!」
(便乗たたみかけ。)

違・う・だ・ろ・う!!地獄の業火にも劣らない私のの焔練成はこんなものではないだろう!?」
(必死。)

え?こんなもんじゃね?
(どっから見ても青い火の玉、ひらひら~♪)

「そうだ!こんなもんだ!
(←文脈の意味をよくわかってない。)

だぁーーーーっっ!一から十まで間違っとるぞキミらは!だいたいな・・・」

「うっせ!焔も出せねー無能は黙っとけ!」


「(がーーーーーーーーんっっ!!!)」(白。)

「なー♪ やっぱ、ホンモノは焔出せてナンボのもんだし?」

「ああ♪そのとおりだとも!」


「ぶ、侮辱だ・・・大地を焼き尽くすと恐れられた私の練成が・・・こんなもんと・・・」
(涙に撃沈。)



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今、唐突に浮かんだシーンを、とネームを切る(漫画のコマ割り・台詞入れ・プロットのこと)要領でパパっと書いてみました。
挙手するほどの内容でもなかったんで・・・直に投稿しちゃいました。
「第6話」の三人(いや、二人と一匹)のゴタゴタのシーンの隙間に、こんなやりとりがあっても(なくても)いいかな~的な、挿絵風味なイメージで描きました、じゃなかった、書きました。

さと。
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ILLUSTRATION BY nyao