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茫然と目を見開いたままエドワードはカワウソと判明したこのロイ´を見つめていた。一方本物のロイ・マスタングはここでようやく冷静さを取り戻した。
三日前、雪山で、遭難して助けてもらった…ということはつまりエドワードがこのカワウソを助けたということだ。つまり、コイツは本物のロイ・マスタングではないと自分で暴露したということではないか。
仮にも私と似た顔の奴がこんなに頭が悪くてどうする…とも思うのだが、本当にカワウソならば野生動物の脳味噌の容量しかないのだろう。仕方ないというべきか。だがそのおかげで事態を打開する光明は見えた。とロイは思う。そう、勝機は見えたのだ。風邪も熱も吹き飛ばすほどの気力がわき上がる。「でも…どうしてロイ・マスタングなのかしら?」とホークアイは問い、その答えは「エドワードが、一番大事に想っている相手だからだ」ということだった。

ここから導き出される結論などたった一つ。
エドワード・エルリックが一番大事に思っているのはこの私だ。

途端に機嫌が上昇するロイ・マスタング。にやりとした笑みまで浮かんでしまいそうになるがそこは意志の力で顔を引き締める。

ならばさっさと邪魔なものは排除し、鋼のと新婚生活に入らねば。

そうして。国家錬金術師としても国軍大佐としても有能な頭脳は一瞬にて立てた作戦を決行し始めた。

「そうか。よくわかった。つまり君のその私にそっくりな姿は鋼のへの贈り物だ…というわけだね?」
にっこりと、人好きのする…というか対女性用の笑顔を浮かべたロイ。単純極まりなく、且つエドワードとの幸せな未来を妄想…もとい描いているカワウソロイ´はそうだとばかりに首を縦に振る。
「エドワードの喜ぶ顔が見たくて、私はこの姿を…と願ったのだ!」
なのに何故エドワードは喜んではくれないのだろう?カワウソロイ´は不思議で仕方がない。この男だって私の考えは理解してくれたというのに。肝心要のエドワードが理解してくれないのはおかしいではないか…と。
「ちっ、ちげーってばっ!!た、大佐のことなんてこれっぽっちも考えてなんかねえええええっ」
なんでエドワードは笑ってくれないのだろう?望み通りのこの姿。心の底ではロイが好きだとこれでもかと叫んでいるのに口に出すのは否定する言葉ばかり。

よく、わからない。私は何か失敗してしまったのだろうか?

ほんの少しの不安がカワウソロイ´の胸に湧き上がった。周りの人間はどうなのだろうかと見回してみても、コートをくれた背の高い男はゲンナリとした表情を浮かべているだけだし。肝心のエドワードは何を言い出すんだコイツとばかりに歯を剥いて「違う違う」と繰り返す。カワウソロイ´を「大佐」と認めてくれた中尉の顔は微動だにしない。
ただ唯一カワウソロイ´に微笑みかけてくれているのはロイ・マスタングだけというこの現状。
首をかしげ、カワウソロイ´はロイを見た。笑顔を浮かべているこの男は何か知っているような気がしたからだ。縋るような瞳をついカワウソロイ´はロイに向ければ、大丈夫だよとばかりに微笑まれる。
「エドワードが喜ぶから君はその姿になった。ここまではいいね?」
こくり、と実に素直にカワウソロイ´は頷いてしまう。
「そう君が判断したのは鋼のの心の奥底に『ロイ・マスタング』への想いがあったから…これもいいかな?」
こくこくと、これまた単純に頷くカワウソロイ´。違う違うと真っ赤になりながらも首を横に振り続けるエドワード。
「ということは、だ。『エドワード』と『ロイ・マスタング』は両想い。晴れてお互いの想いが通じあい、恋人同士となれるわけだな。……ここまではいいかい?」
あくまでゆったりと優しげにロイ・マスタングは微笑み続ける。はっきり言って笑顔の大盤振る舞い、バーゲンセールの廉価品のようなその笑顔。
うっさんくさいなと思ったのはロイの部下のみだ。エドワードはそれどころではないし、カワウソは人間の裏表など知りようもない。その上、順を追って説明されるまでもなくカワウソロイ´にとってはもう既にエドワードは自分の恋人。エドワードの身内にご挨拶して、カワウソの長老にも報告して可愛い恋人とのラブラブ新婚生活を送るんだと思い込んでいる。両想いで恋人同士。その言を否定する所など全くない。なのに…エドワードは泣きそうな顔で否定し続けている。

おかしいではないか。カワウソロイ´の小さな不安は少しずつ大きくなる。どこかおかしい。よくわからないけれど、何か変ではないか。
カワウソロイ´は自問自答するのだが答えは出ない。

そしてロイは言えば。カワウソロイ´の動揺の隙をついてエドワードの腕を取り、あっさりと自分の腕の中へと引き寄せた。

「嬉しいよ、鋼の。……私もね、君のことがずっと好きだった……」
甘く低く。痺れるほどの美声でロイはエドワードの耳元に囁きかける。カワウソもハボックも中尉もまるでそこにいないかのようにエドワードを抱きしめて、髪を撫ぜる。
「本当は君の旅が終わってから告げるつもりだった。それまでは…待つ、つもりだったのだよ?だが…」
ロイはそっと、壊れモノに触れるかのような手つきでエドワードの頬に手を添えた。そうしてエドワードのこれでもかと見開かれた金の瞳をじっとその漆黒で見つめ……。
「君がこれほどまでに私のことを想ってくれていると判れば…躊躇などしていられないだろう?この私の想いを伏せる必要など無くなった」
ふっと、自嘲するような吐息を洩らして。ロイは駄目押しとばかりに囁きかける。
「好きだよ、鋼の。……君も、だね?」
漆黒の瞳に映るのはエドワードの驚いた表情のみ。だが、その顔もゆっくりとこわばりと解いていった。
「たい……さ…」

エドワードのその両腕が、無意識のうちにロイの背に回された。指に込められた力がギュッとロイの軍服を掴む。ゆっくりとお互いの顔が近づいていく。そうして…唇が触れ合うその寸前。

カワウソロイ´は辺りに劈くような大声を出した。
「わ、私が『ロイ』ではないかっ!エドワードの恋人はこの私だ…っ!」

けれど、ロイはエドワードを抱きしめたままきっぱりと告げたのだ。

「ああ、君はカワウソなのだろう?そうしてエドワードを幸せにするためにこの私の姿を模した。……ありがとう。君の努力のおかげで今我々は晴れて恋人同士となることができた」

先ほどまでの優しげなロイの笑顔。それが悪魔のようなにやりとした笑みに変化したのをカワウソロイ´は茫然と見つめてしまった。



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そろそろ大佐に活躍してもらわないとカワウソとエドワードがくっついちゃうなー…と思ったら黒ロイ光臨。 
あ、あれ…?
ノリヲでした。
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カワウソーっ!
か、可哀相なカワウソロイ…。ロイが極悪人に感じてしまいましたよ~(汗)
でもカワウソとエドたんをくっつける訳にはいかないし(絶対ダメーっ!)。
♀のカワウソでも冬眠から起きる予定はありませんか?
でもでも、恩返しなら達成ですよね♪
まいこ 2007/11/26(Mon)14:27:06 編集
きゃーっ、黒ロイ降臨っ。
ノリヲさん、練成激早です~っ。
更新横目にしながらも、仕事の為になかなか読みに来れませんでしたが・・・・待った甲斐がありました~。
じわじわと理論で追い込んで、最後はがっつりと自分の勝ちに持っていく大佐!おおおおっ、凄いです~。カワウソロイ’しっかり言いくるめられてますね。このままでは大佐の独壇場ですっ。
まいこさんのおっしゃるとーり、ホントにカワウソ君応援したくなってきましたね。

そして、ここでつぐみが挙手したいと思います。そして次回「最終回」宣言をしたいと思います。「ちょっと待って」や設定矛盾なツッコミなどありましたら、皆様是非お願いします。


つぐみ 2007/11/28(Wed)23:36:01 編集
無題
まいこ様
カワウソ君はかわいそうなのが基本なのかなって…。すまない…。彼には幸せになってほしいなあと思ってはいるんですけどね(笑)

つぐみ様
いやあ…錬成にもっと時間かかると思ったんですよ…。いざ書いてみたらあっさり、と言うか指が勝手に黒ロイ錬成…。あ、あれ?って感じです。
とりあえず、結末に向けてそろそろくっつけるところまでは書きたいな~って思ったら…。

ええと、最終回。楽しみにしています。
私が担当した11話では、あえてエドワードサイドを削りましたので(大佐独壇場…)彼の心情などフォローしてあげていただけると助かります。

そんでは最終バトンタッチ☆
ノリヲです 2007/11/29(Thu)08:55:23 編集
忘れようとしても
ムリでしょう大佐、いかにその存在が無いかの様に振舞っても。だって次がつぐみさんの回だとすると特にですよ、中尉。(この回で沈黙を守っているところが益々恐い。)
そのまま唇がくっついちゃってたら、確実に彼もカワイソウなことになること必至です。
カワウソロイがカワイソウなことになってきましたね!
ホンモノロイとそろって『ダブルカワイソウロイ』とかなってしまいませんように。(涙)
さと 2007/12/03(Mon)20:55:48 編集
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