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第10話
テントに向かって歩いている5人(?)のうち3人はいたたまれなかった。
まずはエドワード。
カワウソなのかロイ´なのか、もうどうでもいいやとさえ思うけど、そこはやはり錬金術師。
なぜ、こんな事になっているのか、分からないというのが我慢できない。
しかも、天然毛皮に身を包んで温かいのは、腕を組んで歩いているロイ´から貰ったもの。
おかげで、ロイ´はすっぽんぽんで、それがエドワードには申し訳けなくて、でもその姿が情けなくてしかも中尉やハボック少尉にまで見られてしまって恥ずかしくて。
なのに、最初思いっきり本人だと間違えて……色々あってとってもイタタマレナイのだ。
一方ロイだっていたたまれない。
こんなヒゲをつけたふざけた妖怪変化に間違われた。しかも最初は本気でだ。
それは中尉に限らず愛しのエドワードでさえ、ロイ・マスタング本人だと思ったのだから……その上、二人仲良く腕組をして歩いている。
凍死防止の為だと分かってはても。
あぁ、いたたまれない。
そして、カワウソロイは―――ルンルンだった。
裸で寒いけど、「お、俺と腕を組んで歩けば少しはましだろっ!?」と、可愛いあの子が自分から腕を組んでくれたのだ。
そして、大好きな金色の子供の名前が「エドワード」だと、中尉と呼ばれる女性がそう呼んでいたので知ることができた。
そう、恋人同士になるのだ。名前をちゃんと知っておかないといけない。私は、まあロイで良い。
うんうん、これで第2段階もクリアーだ。
あとはエドワードの身内に挨拶をして、そうそう!春になったら長老へご挨拶に伺わねばっ!
カワウソロイ、身も心もぽっこぽこ。
3人目、最後にいたたまれなかったのは、ジャン・ハボック少尉だ。
上司にそっくりな、でもすっぽんぽんで変てこなロイ´を見るだけで、体中の力が抜けていく。
そして、隣を歩くホークアイ中尉の口元が、微かに上がっているのをハボック少尉は見逃さなかった。
ついでに、本物のロイ・マスタングの機嫌が地平線を這っているのも感じた。
あ~機嫌最悪っすね。まあ、大将があんなに【あれ】にくっ付いているんじゃなぁ。
せめて上司の機嫌だけでも、少しでも浮上させないとあまりにハボックだってイタタマレナイ。
浮上させる為には、まずロイ´からエドワードを離すことが先決だ。
「あ~その、そこロイ´さん?」
「ダッシュではないっロイだ!」
「バカな事を言うなっロイは私だ!」
ただでさえ頭が上がらないのに、その同じ顔で同じ声で同時に怒鳴られた。でもヒゲ付き。
ははは…迫力も情けなさも2倍っすよ……。
「えっと、あのぉ~裸はまずいでしょ、これどうぞ」
自分が羽織っていたコートをロイ´に差し出す。
「あ、ああ…すまない」
こ、これは!とうとう部下まで私を本物と認めたという証なのか!?
カワウソロイ、一歩前。ってな感じだ。
しかも。
「あら、まあさすが良くお似合いですわ、大佐」
と、ホークアイ中尉が満面の笑顔で【大佐】と言った。
「もちろんだとも!」
カワウソロイ、腰に両手をあて得意満々だ。
一連の言動で慌てたのは本物のロイで。
「中尉!大佐は私だっ!ハボックッそんな奴にコートなど貸すな!」
「ひっすすすすすんませんっ!」
せっかくロイの為に、ロイ´をエドワードから離そうと画策したのにハボックは理不尽にも怒られた。
でも。
「あら…コートを羽織ると益々見分けがつかないですね。まあ困ったわ…どちらが本物の大佐か全然分からないわ。本当に困ったわね」
棒読みな、中尉の言葉がとてもとてもわざとらしい。
全然困っていないだろ。
ロイもハボックも心の中で突っ込んだ。そんな直接声に出して言えない情けない二人をきれいに無視をして、
「でも…どうしてロイ・マスタングなのかしら?」
ねえ。とホークアイはエドワードに話題を振った。
「えっ!? え~と…なんで、かな??」
かな??と、エドワードはカワウソロイに話題を振る。
「君が、一番大事に想っている相手だからだろ」
カワウソロイ、メガトン級の爆弾発言をさっくりと投下。
「なっ!それは本当かねっ!」
「まあ、やっぱりね」
「えぇーっ!まじっすか!」
「ちげーっ!いい加減な事いうなーっ!」
カワウソロイは、どうして皆が騒いでいるのか分からない。
しかも、愛しいエドワードに至っては涙目になって否定している。
おかしい……間違ってはいないはずなのに、何故この子は泣いているんだ?
「だって、君の心の奥が見えたから。そこに、この男がいたから…私は願ったんだ」
ロイ・マスタングにしてくれと。
君の喜ぶ顔が見たくて。
なのに、どうして君は喜んでくれないんだ?
「いっ、いいかげんな事いうなっ!いつどこでだよっ!言ってみろ!!」
「三日前、雪山で、遭難して助けてもらった時だが」
「へっ!?」
怒りと恥ずかしさで真っ赤だったエドワードの顔が、?マークで一杯だ。
「……え~と、もしかして…まさか、あの時のイタチ???」
「カワウソだ。いい加減間違いに気づいてくれたまえよ」
「えーっ!嘘!なんで、どうしてっ!」
金色の大きな瞳がさらに大きくなって、カワウソロイをこれでもかっ!と言うほど見つめる。
あの時のイタチ、ではなくて冬眠しそこねて死に掛けていたカワウソが、このロイ´!?
わけの分からない荷物をたくさん持ってきたロイ´が、あの時のカワウソ!?
「大佐以外の変な荷物は何なんだよ!」
「君への贈り物だが」
「じゃあ、なんで大佐が入っていたんだよ!」
「だから、君への贈り物だよ。その男も私のこの姿も、全部君への恩返しに、―――君の為にあるんだよ」
そう言って微笑んだロイ´の表情は、この上もなく優しいものだった。
………裸コートな姿でイタタマレナイけれど。
遅くなりました~。ついでに今の時間も、須田にしては珍しく遅いです(汗
エドたん、あの時のカワウソだって気が付きましたよ!恩返しだって事も気が付いた(はず)!
そして、エドたんの恋心・・・いきなり暴露されちゃいました(汗
こんな感じになってしまいましたYO!「友よっ後は頼んだぞ」←☆聖矢風に
まいこ
カワウソロイ!!自分が本物じゃなくってカワウソだって自分から暴露したよ!!
あはははは。野生動物!!浅はかなりっ!!
第11話!立候補―!!いたします!!
ちょっと時間かかるかもしれませんが、待っててねー。
この一話にどれだけ「カワウソロイ」の謎が解明されたことかっ。
それをさり気なくお話進行させながらやってのけるまいこさんの文章力に脱帽ですっ。
そして、イタタマレナイ姿で「君の為に~」と言って微笑んだロイが、もうガッツリ私の心を捕らえて離しませんでした(爆)
物凄く「絵」にした状態で頭に浮かんできました。
笑いながら感動出来るお話!!!素晴らしいですよね~。
もう本当にラストが見えてきましたね~。次のノリヲさんのお話もとても楽しみにしております♪