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黒猫ロイと金の仔猫・番外編 ~町へ行こう~その②


でも、そんなハボックの心配は全然無用。
だって、ロイは見目形だけでなく、内面も男前。決める時はビシッと決める。
メロメロでだらしなく見えても、大切な仔猫を外へと連れ出すのだ。細心の注意と気配りを忘れない。

良い男とは顔だけでは決まらないのだ。


ロイとのお散歩がよほど嬉しいのか、エドワードはちょっぴり小走り気味。
ちりんちりん、と鳴る鈴の音がロイにはとても心地が良くて、足元にぴったりとくっ付くようにして歩くエドワードが可愛らしくて心が弾む。

こんなに心地よいものなら、もっと早くに一緒に散歩をすれば良かったかな。

あんなにも心配して不安に思っていたのに、気分はお姫様をエスコートする騎士もしくは王子さま。
そんな気分を存分に味わって、もう最高潮にロイは気持ちが良い。

そんな中、ご近所の三毛猫のミー子に会った。


「ロイ様!新年おめでとうございます
VV
「おめでとう、ミー……」

子と、名前を全部言い終わる前にミー子がダイブしてきた。もちろん、ダイブの先はロイ。そして、 女の子を避けるという選択枠はロイにはない。
よって、ミー子はしっかりロイの背にのっかかっていた。ロイ様の体温を毛並みを直で感じられて、ミー子は新年からとってもはっぴー♪

「君は相変わらず元気だね」
「はい!ロイ様大好き
vv

熱烈ラブコールなメス猫に、いつもなら「ははは、それは嬉しいね」なんてロイも返事をするのだけれど、今日は勝手が違った。

だって、

「にょいはおれのなの!!」

舌ッ足らずな癖に、大胆な発言があったから。


「ロイ様、……この仔は?」

ロイにのっかかったまま、ミー子はロイの足元にくっ付いている仔猫を見た。
味覚/糖純/露つゆみたいに美味しそうな、とっても大きな金色の瞳がこれでもかっ!と睨んでいて、おまけに輝く金の毛並みが逆立っている。
もちろん、尻尾はぶはっと限界までに膨らんでいて、ミー子を<威嚇>をしているのだった。

そう<威嚇>なのだが。


「か、かっわいいん
vvや~ん、どうしましょうvv


どんなに頑張って威嚇しても、怖くもなければ迫力も無い。すべて<可愛い>or<愛らしい>に自動変換されてしまう。

究極の愛くるしさを持つ。
それが、金の仔猫エドワード。


今日も新年早々、可愛らしさは絶好調で絶品なのだ。いや、去年よりも更に磨きがかかっている。
大きくなるにつれ、普通は仔猫特有のふわふわとした愛らしさは薄まっていくものだけれど、何故かエドワードの愛らしさは日に日に増すばかり。

腕に抱けば、誰もが手放せなくなる。
そう、それが金の仔猫エドワード。


ロイがエドワードを愛でるのはもちろん、実弟のアルフォンスに至っては、もの凄いブラコンだ。飼い主のイズミも溺愛している。そして、お隣の大型犬ハボックも多種族でありながら夢中という有様。

三毛猫ミー子も例外ではなく、手足をばたつかせ「可愛い」を連呼している。
でもメロメロになりながらもロイの背中からは降りない。

だって、仔猫は可愛いけれど、やはり妙齢なお年頃の三毛猫ミー子はロイ様が一番だから。


そんなメス猫の恋愛感情は分からなくても、<ロイ様が一番好き&ロイ様の一番になりたい
>な感情を敏感に察したのか、エドワードのご機嫌はこれ以上ないぐらい急下降。

まだまだ恋愛には疎くても、独占欲ならしっかり芽生えている。

「おりろよ!にょいにしゃわんなっ!」
「あらん、やーよ」

ムキになって怒る仔猫が面白くて可愛らしくて、あっかんべーなんてしてしまう大人気ない三毛猫ミー子と、
「にょいのいちばんはおれなの!にょいはおれんのなのっ……おれのなの!」
エドワードは、もうほとんど半泣き状態だ。

「ミー子、子供をからかうのは頂けないね」
「ご、ごめんなさい…」

流石にロイもこれ以上は放っておくわけにはいかない。
何時もは優しいはずのテノールの声が、少しばかり戒めを含んでいて。三毛猫ミー子はおずおずとロイから降りた。


「あ、あのロイ様……」
「この仔はエドワードだ。よろしく頼むよ」
「は、はい!」

ロイ様に叱られてしゅんとしてしまっていたけれど、仔猫を紹介されてミー子の気分は復活。ロイもその辺は心得ている。

「ではまた」
「はい!また明日お会いするのを楽しみにしています♪」

ルンルン気分で去っていくミー子を、ロイは紳士らしく見送る。見えなくなって、ようやくロイとエドワードの二匹だけのお散歩の再開だ。

でも、エドワードは半泣きから本泣きになってしまっていて。

大きな金色の瞳からはぽろぽろと涙が零れ、「ふぇ…えっ…っ」としゃくりあげながらロイに着いてきていた。


「エドワード、そんなに泣かないでおくれ。あの子も悪気があったわけではないんだよ」
「に、にょいは……」
「ん?」
「にょいは……おれのにょい…なんだもん」
「もちろんだよ、エドワード」
「にょいのいちばんは……おれなんだもん」
「もちろんだとも」


ああ、なんて可愛いのだ私のエドワードは……。


慰めなくてはいけないのに、『にょいはおれの、にょいのいちばんはおれなの』と泣き止まないエドワードが愛おしすぎて、そのあまりの愛らしさにロイは眩暈を起こす寸前。
そんな眩暈寸前の至福の中、今度はシャムネコのメアリーに会った。


「まあ、ロイ様
明けましておめでとうございます」
「やあ、メアリー。おめでとう」

どう慰めようか、でもなんて可愛いのだと、眩暈まで起こしかけていたのに瞬時に笑みを浮かべ挨拶を交わす。それはもう、オス猫ロイとしての条件反射だ。

そして、ちょっと気位の高そうなお嬢様な彼女は、ロイに猛烈なアピールはしない。
しないけれど、足元に泣きながらくっ付いている仔猫は気になる。


「ロイ様…この仔は?」
「ああ、私のエドワードだよ。メアリー」

さ、ご挨拶をしなさい。ロイは泣きはらしているエドワードの目元を舐めてやる。

<私の>という言葉と今の行動に、メアリーはピンときた。ピンときたけれど、そのまま認めるのは面白くない。


大人のメス猫にロイを射止められたと云うのなら、まだ分かる。
だけど、まさか恋敵が。

『こ、こんなに小さな仔猫っ、しかも可愛いとはいえ男の子?!男の子にロイ様を持っていかれたなんて私の自尊心が許せませんわ!』


シャムネコはプライドが高かった。
高かったのだけれど、仔猫に負けたなんて許せないのだけれど。

だけど。

それ以上に、―――エドワードは可愛らしかったのだ。


「とっても愛らしい仔ですね」
「そうだろ。私の自慢だよ」
「ま、妬けますわ」


臆面もなく<私の自慢>だと言われ、しかも、その時のロイの表情が本当に嬉しそうで。
シャムネコのメアリー、負けを認めるしかない。

しかも、実は内心では涙が零れている金色の瞳を舐めてやりたくてウズウズしてしまって仕方がなかったのだ。

でも言えない。だって<ロイ様の仔猫>だから。
ぐっと我慢。

「では、失礼いたしますわ。ロイ様お幸せに」
「有り難う、メアリー」

ロイ様ったら、なんて幸せそうなお顔をなさるの。

あの微笑みが、ただ一匹の仔猫のものになる。悔しいけれど勝ち目がないのも事実。
今日はもう家に帰ってお昼寝(ふて寝ともいう)をしよう、と思うメアリーだった。


ミー子とは違い、無事にあっさりと引き下がってくれてホッとしたのも束の間。


「にょい……いまのおねえちゃんもすきなの…」


足元を見てみれば、大粒の涙が一段と金色の瞳を濡らしていた。



出会うメス猫がすべて「ロイ様
」とハートマーク付きでロイを呼んでいて。ロイはロイで自分のことなんてお構いなしに、にっこり微笑んで相手の名前を呼んでいる。

何時もは自分に向けられている笑みが、今日は違う猫に向けられていた。

それがエドワードには何だか寂しくて悲しくて、涙が勝手にぽろぽろと溢れてしまう。

どうしてなのか分からないけれど、とっても嫌だったのだ。



ロイが一番で、ロイにとっても自分が一番で。



でも、そう思う感情が何なのかは、まだ仔猫のエドワードには分からなくて。
分からないけれど。

ロイが今のエドワードにとって世界そのものなのだ。



その②おわり


良くも悪くも、仔猫エドは箱入りさんです。
まいこ 09/01/29←拍手UP日

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