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一年の計は元旦にあり!?

                  ~黒猫ロイの野望と金色の仔猫・お正月編~ まいこ作

 

 

新年明けまして。

どうぞ、本年も宜しく。

はっはっはっ、今年も良い年になりそうですな。

 

等など、賑やかな新年の挨拶が玄関先から聞こえる。

 

「ああ、そうか。今日は元旦だったな」

 

う~んっ、とロイはぽかぽか陽の当たる縁側で大きく背伸び。

 

「ん?あの子はどこにいるんだ…」

 

いつもいるお気に入りの縁側にはいなかった。せっかく添い寝をしようと思っていたのに、お目当ての金色の仔猫はいなくて。

でも、ぽかぽか陽射しに負けて、ロイは一匹でお昼寝をしてしまった。

 

まったく私とした事が。

 

でも真冬の日向を無視できる猫などいやしない。ちょびっと自己嫌悪。

 

 

招かれたお客様とどさくさに紛れて客間に入ると、そこには魅力的な冬の必需品「こたつ」が眩しい。

「やはり冬はコタツですな」

「うんうん、しかもみかんもある。あとおせんべいがあれば…」

「つべこべ言わず、そこに入りな」

 

何とも賑やかなお客様はもちろん、ロイもいそいそとコタツへ向かった。

そこへ。

 

「にゃぁ」

 

コタツの中から、可愛い鳴き声と共に顔をだしたのは。

 

「なんだアル、コタツの中で寝ていたのか?」

「おぉ、なんとも可愛い仔猫ですな」

「うんうん、キュートだ」

 

亜麻色の小さな仔猫の姿に、飼い主イズミとお客様ホーエンハイム氏とブラッドレイ氏の顔がにこやかに緩む。

でも、反比例してロイの眉間にはシワが寄る。

 

何が可愛いだキュートだ皆この仔猫の本性を知らないからそんな的外れな事が言えるのだ仔猫の癖に真っ黒クロスケなんだぞこれはっ!大体キュートや可愛いという言葉はエドワードの為のみにある言葉ではないか!

 

と、ここまで一気に思考を巡らせハタッと気づいた。

 

もしや……。

 

アルフォンスがここにいるという事は、エドワードもコタツの中でお昼寝をしているのではないのか!?

 

間違いない!とロイは確信する。

「にゃーっ!」訳)エドワードーっっ!

叫んで即効でコタツに頭を突っ込んで見てみれば―――。

 

コタツの中央、遠赤外線の真下に真っ白なふかふかのお腹を上に向けて、小さな手足をバンザイして転がっている無防備な仔猫の姿が。

 

なっ、なななななんてラブリーでキュートで愛らしいのだーっっ!!

 

「こ、これはぜひっ添い寝をしなくては男が廃る!」

 

成人オス猫の全てをかけてロイはコタツに飛び込んだ。

が。

「ロイッ!お客様の邪魔だ!」

イズミに首根っこを掴まれ、ぽいっと放り出される。

 

「ほう、黒猫か」

「なかなか立派な毛並みですな」

ブラッドレイ氏とホーエンハイム氏は、少し感心しながらロイを見るものの、

「「でも邪魔」」

と、二人して無碍もない。

 

そして、3人足を入れるが、―――おや?

微かに何か、柔らかいものが足先に当たった。

 

コタツ布団を捲くってみる。

途端、3人の顔が綻んだ。しかも、うち2名はだらしない程に弛んでしまっている。

 

「これは素晴らしく愛らしい」

「なんてキュートでラブリーな仔猫なんだ」

「おぉ輝く金糸が見事だ」

「「可愛いすぎるっ!」」

 

大絶賛だ。

 

そして覗いていた二人の手がエドワードに伸ばされるも、

「起こすなよ」

「「……はい」」

イズミのドスの効いた声に、スゴスゴと引っ込める。

 

こんなに幸せそうに眠っているのだ。とにかく起こしては可哀相だ。

大の大人3人が、真ん中を避けてコタツに座るのは少し、いやかなり窮屈だが仕方がない。

そんな状況を見たロイは、

「なら遠慮なく添い寝させてもらうとするか」

と、再度コタツの中へと、添い寝をしにウキウキとチャレンジだ。

 

が、首を掛け布団に突っ込んだところで。

 

「お前はーっ邪魔だと言っているだろ!」

 

またもや、ぽい~んと、放り出されてしまった。

小さな仔猫ならいざ知らず、大きな大人の猫がコタツの真ん中にいるのは、はっきりいって邪魔もの以外何者でもない。

 

そんな様子を、こっそり聞き耳立てていたのはアルフォンス。

掛け布団から顔を出して寝ている姿がまた可愛らしい。そんなアルフォンスが、ちろん、と栗色の瞳を開けて「ば~か」と小さく呟くも、イズミ達には「にゃ~」という愛らしい鳴き声にしか聞こえない。

 

「うるさかったかな」

「おお、すまないね」

「まったく、ロイが悪い」

 

皆の冷たい視線が大人猫のロイに集まる。

 

「な、なんなんだっ!その視線とこの扱いはっ!しかも私には丸聞こえだぞっアルフォンス!!」

 

ニャーニャーッ!と、キッとアルフォンスを睨むも、あどけない仔猫の寝顔で完全無視、シカトされてしまった。

一年の計は元旦に有り、今年こそは念願の添い寝を果たさずにおれるか!

ぐっと気合が入った所で。

 

「やかましいっ!」

イズミの怒鳴り声と共に、とうとう部屋からすらぽい~んと、放り出されてしまった。

 

 

 

 

 

 

一年の計は元旦に有り。

その元旦に、縁側で涙に濡れる黒猫が一匹。

 

 

 

その頃、コタツの中では。

夢心地なエドワードのろいぃ~」という寝言が、小さく漏れたのは内緒。




 


 昨年から5日にはUPしたいと思っていたので、何とか目標達成!
ヘタレではないのですが・・・報われない?
おかしい…須田はかっこよくてニヒルで大人で素敵なロイが好きなのに何故!?

08/01/05
須田舞子
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や~んっ、可愛い過ぎ~♥(←誰っ)
<コタツの中で真っ白なふかふかのお腹を上に向けて、小さな手足をバンザイ!!!!!>
もう、私の頭の中をその図が思い浮かんで、ぐるぐると回り続けました。想像しただけでほっこり出来ます~♥ まさに癒し系小説っ。
本当にまいこさんの本領発揮なお話ですね~♪
新年早々、幸せ気分っ。

あ、最後に一つだけ。
アルの真っ黒クロスケ←笑いました(爆)
つぐみ 2008/01/05(Sat)03:08:39 編集
ほんわかです~vv
めろめろです…もう、めろめろ…

3匹の愛くるしいにゃんにめろめろです…
(これしか言えない…笑)

はい、つぐみさんと同じく、アルには…もう…!!!
ひろむ 2008/01/05(Sat)23:41:55 編集
かわええええよねええええ
まいこ様のエドワードはほんとに可愛くて可愛くて可愛くって……っ!疲れが吹っ飛ぶほどのかわいらしさ!イズミ師匠に蹴倒されても誘拐したいですわ…。

ロイ、頑張れ!!脈はあるぞ!!
ノリヲです 2008/01/07(Mon)12:58:28 編集
有難うございますvv
つぐみ様v>猫ちゃんにこんな格好されたら堪んないっ!な姿を想像して書いたので、ほっこりして頂けて良かったです~vvちゃんと書けていたんだ(ほっ)
そして、須田のアルは黒いんです(笑)

ひろむ様v>小さい頃猫ちゃん2匹、わんちゃん3匹に囲まれていましたよ~vv毎日ほんわかです♪でも今はアレルギーで飼えないですが(汗

ノリヲ様vはい、誘拐してやってください(笑)その①に引き続き、ノリヲさんへのお年賀ですのでvv
まいこ 2008/01/07(Mon)14:24:08 編集
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