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コールドレイン 第19話


――何故……オリヴィエがここに……。
フィオレッナはオリヴィエを凝視した。ロイ・マスタングといいオリヴィエといいどうしてこう予測の範囲内から逸脱した行動をとるのか。順調だったはずなのだ、自分の計画は。予測通りに事は進んでいたのだ、途中までは。どう転んでも自分の目的に到達するようにと何度も計略を考え直したはずだった。ロイを夫としてでも手駒としてでも入手して、自身の益となるようにというのが最初の布石。だが仮にロイに敵対されたとしても殺してしまえばそれはそれで自分の力を誇示できるということで。二重三重に計略をはりめぐらせたはずなのに。エドワードは万が一計略にズレが生じた場合のいわば保険として手の内にとどめておいたにすぎない。もとより彼をどうこうするつもりもなくて。なのに何故、よりにもよってオリヴィエと共にこの会場に居るのか。しかも真っ直ぐに自分を射抜くように見つめてきている。薬はまだ効いているはずの時間だ。それなのに、何故。
考えるべきことは多かった。が、状況がつかめないうちでは先を読もうとしても全て無駄になる可能性のほうが高い。だが、フィオレッナは内心の混乱など見せないようにすっと背を伸ばして立ちあがった。
「ようこそ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング中将。……そちらの商品をお買い上げされるためにわざわざいらしてくださったのかしら?」
フィオレッナの口調に、先刻湧いたばかりの会場内が一瞬のうちに水を打ったように静まった。
オリヴィエはくっくっくと笑うと、傍らのエドワードを抱き寄せて言い放つ。
「なに、私はこの『人形』の受け取りに来たにすぎん。届くのがあまりに遅いのでな、私は忙しい。待ってなどいられん。よって私自ら足を運んでやったまでにすぎん。それを買うのはついでだ。なあフィオ。国軍大佐がオークションの商品とはな。面白いが軍の将軍という私の立場からすれば見逃せるものではない」
親しげに、フィオなどと呼びかける。が、オリヴィエの眼光は鋭い。
けれどフィオレッナはその眼光を真っ向から受けてたった。
「そう……。ついで、で『一億』ねえ……。まあいいわ。さらに高値を提示する客様もいらっしゃらないようですし。一億で落札ということで良い……のかしらね」
ちらりと目線をロイへと走らせれば、ロイはふてぶてしいまでに鮮やかな笑顔を浮かべている。まるでお買い上げありがとうございますと言わんばかりに手までひらひらと振っていた。
「そ、それでは確認いたしますっ!他にありませんか!!」
壇上ではオークションの進行役の男が声を張りあげる。その声が会場に響く。しかし答える声はない。司会の男は一瞬間をおくと、おもむろに木槌を振り上げ、そして落札を示した。
「では、一億で……っ!」
コンコンという木槌の音よりも大きいのは落胆の声や溜息だ。あちらこちらから「私が欲しかったのに」という種類の声が上がる。
そんなざわめきなど気にもせず、オリヴィエは傍らの『人形』を抱きあげると、一歩前また一歩と舞台の方へと進んでいく。
不敵に笑うオリヴィエとそれを睨みつけるフィオレッナ。
その二人がお互いをけん制するかのように口を開きかけた途端、それは起こった。

ざわめきを零していた客たちの声が一転して悲鳴に変わる。甲高い声を上げた中年女性の背に現れたのは顔を覆面で隠し、黒い迷彩服に身を包んだ大勢の男たちであった。いずれも自動小銃を構えている。騒ぐ客席の通路の間を駆け抜けていく迷彩服。そして、彼らのうちの一人が会場の天井に架かっているシャンデリアにその銃口を向けた。
ダーン……という銃弾の音とともに砕け散るシャンデリア。クリスタルの破片はキラキラと光をまき散らしながら落下してくる。観客たちがその美しさにか恐怖にかに呆然としたのはほんの一瞬だけだった。身を守るために客席の椅子の間に身を潜める者、出口へと走り出す者。シャンデリアは彼らに構う事などなくただ派手な音を立てて客席に落下し、砕け散った。
覆面の男たちが発した「覚悟っ!ロイ・マスタングっ!!」などという声などは悲鳴と怒号とそれから轟音によってかき消される。劈くような悲鳴も怒号も全てが喚き散らかされているようで意味のある言葉など何一つとして感知できない。会場から逃げようとしている者たちで二つだけしかない扉の周囲は大混乱だ。押し合いへし合いでもみくちゃになる。足を踏んだだの痛いだの私が先にだの、口汚くお互い同士を罵りあう光景はいっそ壮観だと言える程の混乱っぷりを呈していた。紳士、淑女の名が呆れる光景ではある。彼らのせいでフィオレッナの部下もコルネオ家の護衛もこの会場へは入ってこられなかった。

舞台の上に一人残されスポット・ライトを浴びたままのロイ。
エドワードを抱きあげているオリヴィエ。
それを睨むフィオレッナ。
ゆったりと椅子に腰をかけたまま、面白がっている様子を崩そうともしないファルザーノ。
そして、それを取り囲かこみ、銃を向けている覆面の男たち。

始まったばかりの宴がどう進むのか。それは誰にもわからない。
わかっているのはフィオレッナの計略が少しずつ崩されていき、そうして別の方向へと向かうスピードが加速されたということだけだった。




 


えーっと……。オークションの進行役の人の名称がやっぱわからん。オークションマスター?なのかな?まあいいや、説明的でスマンです。あと、説明覆面の男たちはロイの部下(仕込み)でもいいし、ロイ暗殺部隊のマフィアの混成チームの方でもいいし。次の方へ託しますううううっ!ノリヲ
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いつもお早い!
何気に来て見れば、あーっ続きがUPされていますYO!
相変わらずお仕事がお早い。
覆面男達は、ハボックだったりして!?なんて思って読んでいたのですが…やはり、それも有り!なんですねー♪
そして、お姉さまに抱き上げられるエドたんっ!!わぉvvなんか「百合」っぽい!?(←激しい勘違い)
まいこ 2008/08/09(Sat)01:34:16 編集
早いですーっ(>_<)
ノリヲさんお疲れ様です☆
一億ですかっ!?とてもうちでは無理で・・(殴っ)←買うつもりだったんですかっ。
おおおお、またしても物語が急展開してます~っ(>_<)
覆面の男達の正体はいかにっ!?という感じでしょうか。うわーっ、なんだか緊迫してきましたね。
それにしてもエドワードさん、抱き上げられて登場なんて、まだ薬で歩けないんでしょうか。その様子見たロイの心中もとっても気になるところですね。展開にスピード感があるところが、さすがです、ノリヲさん。
つぐみ 2008/08/11(Mon)23:37:21 編集
無題
まいこ様つぐみ様ありがと~。

お姐さまがエド抱き上げたのは。



ロイに対する単なる嫌がらせかと!!



思われますが、どーでしょう?てへ☆
ノリヲです 2008/08/17(Sun)00:25:48 編集
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