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-------------●ここは鋼の錬金術師「ロイ×エドSSリレー企画」の二次創作サイトです♪●-------------※全ての画像・テキストの無断掲載持ち帰りはしないでください・初めての方は「about」をお読みください※since07/10/25
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金色の子猫と雪の町 その①



木枯らし一番がびゅ~と吹き荒れて、外はすでに雪景色。
そんな時は、昔から♪猫はこたつで丸くなる♪が常で。ここカーティス家でもコタツを囲んで黒猫ロイに亜麻色の子猫アルフォンス、そして金色の子猫エドワードがぽかぽかと暖をとっている。

はずなのだけれど。

「ロイさん!兄さんがいませんよ!!」
「何?! そんなバカなことがあるものか!」

ふと、お昼寝から目覚めたアルフォンスはびっくりして大声でロイを起こした。
だって、一緒に丸まっていたはずの兄がいない。
ロイはロイで「バカなことを言うものではない。エドワードならコタツの中で寝ているではないか……」と布団にもぐって見てみる。

そこにはころん、お腹を真上に向けて、両手両足を伸ばして。そう、とても幸せそうな寝顔の子猫がいるはず……だった。


「い、いない?!」
「だから、僕がいないって言ったじゃないですか!」
「これは一大事だ、アルフォンス!」
「ええ大変ですよ、ロイさん!」

これは非常にまずい状況。
だって、外は白銀の世界になっちゃってるし。

肉球は冷たいし濡れるし寒いし、普通なら猫はまず、外には出ない。
普通なら、ね。

でもエドワードは好奇心旺盛な上に過重包装しまくりの箱入り子猫ちゃんだったりする。
きっと、この雪景色を見て。


わあぁぁ…すんげーきれいだぞ!


なんて、あの大きな金色の瞳をランランと輝かせて見ていただろう。そして、あろうことか「おそとへいくぞ!」と抜け出したに違いない。

猫にとって有るまじき行為。猫の常識なんか通じない。それが金色の子猫、エドワード。
過保護にしまくったロイの責任だ。

とにかく探しに行かなくてはならない。
アルフォンスとロイはコタツから飛び出て、障子も開けて縁側に出る。

「「うっ」」

二匹は固まった。


「こ、これは、予想以上だな」
「ええ、まさか…こんなに積っているなんて」

ざっと積雪5㎝ほど。
でも、猫にとっては未知との遭遇と言っても良い。

「こ、この中をエドワードは外へと出たのか……っ」
「ロ、ロイさん…」

何時もは生意気なアルフォンスがロイの後ろへと隠れる。前人未到ならぬ前猫未踏の世界へいざ!
でも、これはかなり勇気がいる。

気温はとっても寒いのに、ロイは冷や汗で暑い。でもでも大切なエドワードが、この外に。


肉球が濡れて、冷たくて。尻尾もびちゃびちゃで凍えそうに冷たい。
「にょい~…さむいよ……たすけて」


と、エドワードが泣いてロイに助けを求めている姿が浮かぶ。


「くわっ!!この程度の雪がなんだ!エドワード、今行くぞ待っていなさい!!」

ガラス戸をガシガシと開け、いざ雪原(庭だけど)にロイは愛おしいエドワードの為にダイビングだ。

真っ白な世界(庭だけど)に黒い姿が宙を舞う(ええ、庭ですとも)。

びちゃ。

ぴた、ではなく着地音はびちゃ。だって雪だから。

「ロ、ロイさん、大丈夫?!」

恐る恐る、ガラス戸の隙間からアルフォンスがロイに声をかける。
何時もは生意気な口をきいてはいるが、やはりそこはまだ子猫。この雪を前にして外へとは出ることができない。

そして。

本来なら着地と同時に飛び上がるところを、ロイはぎゅっと我慢した。アルフォンスの手前、無様な姿は見せられない。
ここは我慢のしどころ。

つっ、冷たすぎるっ!!!!

でも、涙が出そうなほど雪は冷たかった。
ロイは頑張る。頑張って頑張って耐えた。でもでもやっぱり雪はとても冷たくて。
肉球からジンジンと冷たさが体中に、あっという間に広がっていく。
声は流石に抑えきれない。でも間抜けな姿はやはり見せることはできない。
ロイ、大人としての意地。
抑えきれない声は、

「ハボック!お前は何をしていたのだ! そこでエドワードが出て行くのを黙って見ていたのか?!それでも番犬か!」

ハボックへ八当たりで誤魔化した。
いきなり矛先を向けられて、お隣の大型犬ハボックが慌てて塀から顔を出す。

「ええ?!いやあのロイさん俺、この家の番犬であって、そっちは管轄外…」
「ほう、エドワードがどうなっても知らぬ、そういう訳か…」
「酷いよハボックのお兄ちゃん!!」

ロイ、寒さも忘れてお隣の大型犬ハボックを睨む。
睨まれて怖いは、弟のようなアルフォンスにも「酷い」と言われて、ハボックはとばっちりで泣くしかない。

「ひーっす、すんませんロイさん!!」

ロイは猫でハボックは犬なのに、何故か誤ってしまう。相変わらず黒猫ロイには頭が上がらないハボックは大型犬。

「とにかく、今助けに行くからなエドワード!!」
「ロイさん、頑張って!」

泣いているハボックを無視して、アルフォンスの応援を背に受けて、黒猫ロイ―――愛しのエドワード救出の為、白銀の前猫未踏の世界へ(ご近所だよ)飛び出したのだった。
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それは、雪に変わりそうな冷たい雨の降る夜。しんしんと心の奥底まで凍えてしまいそうな、雨音だけが静かに聞こえる寒い夜。
「よ、大佐。…あ、今は少将だっけ」
「ああ。まあそろそろその上のポストが空くが。君も五体満足になったようだね」
「おう、全部取り戻したよ。たった一つを除いて、な」
 傘も差さず、軍服姿の黒髪の男と、夜目にも鮮やかな金髪の少年が向かい合って話していた。
「ほう、何だね?」
男は柔らかに問いかけた。口元には、どこか確信めいた微かな笑み。
「いけすかねー奴で、すっげー女ったらしで、腹黒いし雨の日無能で…でもホントはすげー優しくて不器用で、だからちょっと優柔不断だったりもするおっさん」
「おっさんとは失敬な。」
「オレからすりゃ充分おっさんだっつの。今33だろうが、アンタ」
からからと少年は明るく笑う。髪にも負けない、眩しいほどの笑みだ。
「あ、そういや今アンタ無能モードじゃん、やばくねぇ?」
「昔の私と一緒にするな、雨の日だってもう大丈夫だ。いつだって大切な人を守れるようにしている」
ハッキリと言い切ると、男はすっと腕を広げた。目の前にいる、金色の少年に向かって。
「君がまだ私を欲しいと思っていてくれるなら…この胸はまだ誰のものでもない。たった一人のために空けているから…おいで」
柔らかく、でも確かな強さのある声が夜道に響いた。少年は…笑みを浮かべたまま、ぼろぼろと泣き出した。今までの強がり、不安、孤独、寂しさ全てが溶け出した涙は、冷たい雨に流れていく。
「バカやろ…相変わらずクセーんだって…」
泣いていることを悟られまいと吐き捨てながらも、少年は広げられた男の腕の中に飛び込んでいく。男はすぐさまそれを抱きしめた。強く強く、少年の背がしなるほどに。少年は―満ち足りたように微笑み、男の背に腕を伸ばした。
「また、始めよう。ここから。今までの寂しさはこの雨に流して」
「うん…」
 冷たい雨はやむことなく降り続ける。気温はますます下がり、このままいくと霙になりそうだ。それでももう、寒くはない。欲しかったものが側に在るから。確かな優しいぬくもりに包まれているから。離れていた今までの時間は、困難に立ち向かい、壁を超えるためのしなやかな強さとすべてを受け入れられる広い心―それを手に入れるための時間だったのだから。
 しとしと降る冷たい雨は、新たなはじまりのための恵みの雨。一度切れた絆を再び結び付け、さらに強くする、天からの贈り物なのだった。

そう、それは2人の心がより強くなるように、より暖めあえるようにと降る、優しい優しいコールド・レイン―。

                        End.
拍手に「黒猫ロイと金の子猫の番外編」をUPしました。
子猫エドワードと雪の町・その①です♪
このシリーズ、完結させたつもりが我が家に子猫がいて、しかも冬のような気候に思わず書いちゃいました(汗
楽しんでいただけたら、嬉しいです(^^)

自信なんてない。でも覚悟はある。強がりじゃなくてそれはオレのホントの気持ち。
決めるのはオレ。
流されない。
待って待って待ち続けて、雨に濡れて立ち竦むなんて。そんなオレはもう要らない。
だから、決める自分で。自分自身で。

オレは大佐と別れる。弱いオレとは決別する。
後悔はしない。
真っ直ぐにオレは走る。だから大佐。アンタも迷うな。オレが好きになったのは迷ってるようなアンタじゃない。
オレのこと要らないんなら捨てろ。
欲しいなら手を伸ばせ。
欲しいのに、手を伸ばしたいのに、なのにしない出来ないなんて言い訳みたいなこともう言うな。お互いに離れた方が幸せなんてそんな生ぬるいこともう聞きたくない。
そんなの優しさなんかじゃない。
そんなの弱いって言うんだぜ。

だから、ここでオレ達は別れる。決別する。

だけど大佐。オレは真っ直ぐに進むから、別れてもオレは好きだから。だから、いつかきっと。アンタがオレのこと見たくなくても手を伸ばしたくなくても、それでもオレを欲しくなるような、そういうオレにいつかなる。
今はまだオレも弱い。大佐もきっと。
だけどオレは諦めないから。強くなる。誰よりも真っ直ぐに駆ける。
目を逸らそうとしても反らせない。太陽のようなオレになる。雨はもうオレは要らない。オレが雨雲なんか蹴散らしてそうしてこの場所を照らすんだ。そしていつかオレはアンタにたどり着く。


ロイはエドワードを見た。
背を伸ばして歩いていくその後ろ姿。言葉にはしなかったエドワードの想いがそこにはあった。それが無言のままに伝わってくる。ロイの勝手な思い込みかもしれない。幻想かもしれない。けれど。
ロイは去っていくエドワードのその背中を、ただじっと見つめていた。
その背が消えて見えなくなるまで。身じろぎもせずに。


そして、ロイも。一歩を歩み出す。
立ち止まっているわけにはいかない。だから。

今はエドワードに語る言葉をロイは持たない。けれど弱いままの心ではいられない。そんな心のままでいたくもない。だから一歩を踏み出すのだ。

別れてそして。その後を。
雨などもう決して降らせないように。
そしていつか、輝く太陽に手を伸ばして、それを手に入れられるほどの。そんな強さを掴むのだ。



続く








前回書いたのは5月ですね。続き書きにくいところでぶった切っていたようですのでちょろっと付け足してみた。

ポエム…かこれ……(赤面)

続きはいかようにでも。数年後とかでもいいかと……。



ではまた。ノリヲ。



とりあえず、プロフィールのアイコンをハロウィン仕様に変更しました♪
魔法使いエドが吸血鬼(?)ロイを出している、という可愛いアイコンですvv
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ILLUSTRATION BY nyao